新鮮足関節外側靱帯損傷に対する早期荷重キャストによる保存治療
〔要旨〕足関節外側靭帯に対する主な治療法は保存治療である. 保存治療の原則は受傷後一定期間固定し, その後機能的リハビリテーションを開始し再発予防のトレーニングへと繋げていくことであり, 手術手技が発達した現在でも, 低コストで再現性のある安定した臨床成績を収めることができる有用な治療法である. しかし, 固定方法, 固定期間, リハビリプログラムなど, 施設によって実際の治療法は異なっている. 当科におけるIII度足関節外側靭帯損傷に対する治療概要は, 受傷後2週間のキャストによる固定と即時荷重歩行から開始し, その後, 足関節サポーター装着へ変更し, 段階的にリハビリテーションを行ったこと...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 29; no. 2; pp. 268 - 273 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
30.04.2021
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕足関節外側靭帯に対する主な治療法は保存治療である. 保存治療の原則は受傷後一定期間固定し, その後機能的リハビリテーションを開始し再発予防のトレーニングへと繋げていくことであり, 手術手技が発達した現在でも, 低コストで再現性のある安定した臨床成績を収めることができる有用な治療法である. しかし, 固定方法, 固定期間, リハビリプログラムなど, 施設によって実際の治療法は異なっている. 当科におけるIII度足関節外側靭帯損傷に対する治療概要は, 受傷後2週間のキャストによる固定と即時荷重歩行から開始し, その後, 足関節サポーター装着へ変更し, 段階的にリハビリテーションを行ったことである. 本治療に於けるキャスト作成のポイントは, 早期荷重歩行が可能となるように前足部のキャスト被覆を減らし, 足関節軽度背屈位を保ちながら, 薄く巻くことにある. 本研究では新鮮III度足関節外側靱帯損傷に対して早期荷重キャストによる保存治療を行った25名を対象とし, 本治療によるストレスレントゲン変化を調査した. 距骨傾斜角患健差平均値±S.D.は受傷時15.5±6.0°から治癒再検時には1.5±2.3°に有意に改善した(p=6.0×10-10). |
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ISSN: | 1346-4159 |