喀痰塗抹検査陰性肺結核症例の臨床的検討

「要旨」 : [対象] 2006年1月から2011年10月の間に, 喀痰塗抹検査陰性で, 各種検体の培養, PCR, QFT検査で肺結核と診断された115例を対象とした. [結果] 培養陽性率は, 喀痰55.7%, 胃液45.6%, 気管支鏡73.2%, CTガイド下生検71.4%であった. 多変量解析では, 喀痰または胃液のPCR検査が陰性または未検査, 病変の拡がりが狭い症例で, 喀痰と胃液の培養が陰性になる可能性が有意に高かった. [結論] 喀痰の塗抹とPCR検査が陰性で拡がりが狭い症例では, 薬剤感受性検査に基づく適切な治療を行うために, 気管支鏡検査などの侵襲的な検査を検討すべきであ...

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Published in結核 Vol. 92; no. 3; pp. 361 - 364
Main Authors 宇留賀公紀, 森口修平, 高橋由以, 小川和雅, 村瀬享子, 花田豪郎, 宮本篤, 諸川納早, 岸一馬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.03.2017
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : [対象] 2006年1月から2011年10月の間に, 喀痰塗抹検査陰性で, 各種検体の培養, PCR, QFT検査で肺結核と診断された115例を対象とした. [結果] 培養陽性率は, 喀痰55.7%, 胃液45.6%, 気管支鏡73.2%, CTガイド下生検71.4%であった. 多変量解析では, 喀痰または胃液のPCR検査が陰性または未検査, 病変の拡がりが狭い症例で, 喀痰と胃液の培養が陰性になる可能性が有意に高かった. [結論] 喀痰の塗抹とPCR検査が陰性で拡がりが狭い症例では, 薬剤感受性検査に基づく適切な治療を行うために, 気管支鏡検査などの侵襲的な検査を検討すべきである.
ISSN:0022-9776