上腕骨近位端骨折偽関節に対する人工骨頭置換術の検討

「はじめに」 上腕骨近位端骨折の治療において転位のない外科頚骨折は保存治療が適応となるが, 高齢者では脊椎の変形や, 理解力不足等により固定肢位の保持が困難なことがある. さらに高齢者は合併症を有するため保存治療が優先され, 骨折部に転位が出現した場合, 手術治療に移行する判断が遅れ偽関節になることがある. 高齢者は生活動作が限られているため偽関節による肩関節の可動域制限がADLを著明に低下することはないようであるが, 偽関節による疼痛はADLおよびQOLを著しく低下する. 著者らは高齢者の上腕骨近位端骨折偽関節に対し人工骨頭置換術を施行し, その結果について検討した. 「対象と方法」 症例は...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 13 - 18
Main Authors 山田光子, 鈴木謙次, 丹羽理, 加藤慎一, 小宮浩一郎, 日下部浩, 寺田信樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2015
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ISSN1883-2873

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Summary:「はじめに」 上腕骨近位端骨折の治療において転位のない外科頚骨折は保存治療が適応となるが, 高齢者では脊椎の変形や, 理解力不足等により固定肢位の保持が困難なことがある. さらに高齢者は合併症を有するため保存治療が優先され, 骨折部に転位が出現した場合, 手術治療に移行する判断が遅れ偽関節になることがある. 高齢者は生活動作が限られているため偽関節による肩関節の可動域制限がADLを著明に低下することはないようであるが, 偽関節による疼痛はADLおよびQOLを著しく低下する. 著者らは高齢者の上腕骨近位端骨折偽関節に対し人工骨頭置換術を施行し, その結果について検討した. 「対象と方法」 症例は術後経過観察期間が6ヶ月以上の3例(男性1例, 女性2例)で, 手術時平均年齢は86.5歳(82~85歳)であった. 使用した人工骨頭はPhysio shoulder system(京セラ(R)), セメント使用であった.
ISSN:1883-2873