高校バスケットボール選手の腰痛予防における不安定面でのコアトレーニングの効果
〔要旨〕不安定面での体幹トレーニングは体幹筋の筋活動が上昇するといわれているが, 実際の腰痛予防効果を示した報告は少ない. 本研究では我々が考案した不安定面で行う体幹強化法である Core balance training (以下, CBT)による腰痛予防効果を調査することを目的とした. 対象は全国大会出場レベルの腰痛既往がない高校男子バスケットボール選手40例として, 2016 - 2018までの2年間における前向き調査を行った. CBT介入前である2016シーズンは対照群(平均年齢15.6±0.5歳)とし, CBTを導入した2017シーズンをCBT介入群(平均年齢15.9±0.8歳)とした...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 28; no. 3; pp. 471 - 476 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
31.08.2020
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕不安定面での体幹トレーニングは体幹筋の筋活動が上昇するといわれているが, 実際の腰痛予防効果を示した報告は少ない. 本研究では我々が考案した不安定面で行う体幹強化法である Core balance training (以下, CBT)による腰痛予防効果を調査することを目的とした. 対象は全国大会出場レベルの腰痛既往がない高校男子バスケットボール選手40例として, 2016 - 2018までの2年間における前向き調査を行った. CBT介入前である2016シーズンは対照群(平均年齢15.6±0.5歳)とし, CBTを導入した2017シーズンをCBT介入群(平均年齢15.9±0.8歳)とした. 調査期間は4月から10月の1シーズン7ヵ月間とし, 2群間での腰痛発生の割合を比較した. CBTの方法は(1)バランスディスク上での臀部バランス, (2)ストレッチポール上でのSit-up, (3)同側の手足を床に接地させて四肢伸展位を保つサイドブリッジの3種類で構成した. 統計学的解析にはカイ二乗検定を用いて, 危険率5%未満を有意とした. 1シーズンの腰痛発生の割合は対照群5/18例: 27.8%, CBT介入群0/22例: 0%であった(p<0.05). したがって, CBTは腰痛既往のない高校バスケットボール選手に対して腰痛予防を期待できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1346-4159 |