ASEBA行動チェックリスト (CBCL/1 1/2 -5 : 保護者用およびC-TRF : 保育士用) 標準値作成の試み
目的: Achenbach System of Empirically Based Assessment (ASEBA)の原本に従い, Child Behavior Checklist for Ages 1 1/2 -5 (CBCL/1 1/2 -5)およびCaregiver-Teacher Report Form (C-TRF)の日本語版の標準値作成を試みた. 方法: CBCL/1 1/2 -5では1,422人(男児699人: 女児723人)の素点をもとに, 「情緒反応」, 「不安/抑うつ」, 「引きこもり」, 「身体愁訴」, 「睡眠の問題」, 「注意の問題」, 「攻撃的行動」の症状群尺度で...
Saved in:
Published in | 児童青年精神医学とその近接領域 Vol. 58; no. 5; pp. 713 - 729 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本児童青年精神医学会
01.11.2017
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-0968 |
Cover
Summary: | 目的: Achenbach System of Empirically Based Assessment (ASEBA)の原本に従い, Child Behavior Checklist for Ages 1 1/2 -5 (CBCL/1 1/2 -5)およびCaregiver-Teacher Report Form (C-TRF)の日本語版の標準値作成を試みた. 方法: CBCL/1 1/2 -5では1,422人(男児699人: 女児723人)の素点をもとに, 「情緒反応」, 「不安/抑うつ」, 「引きこもり」, 「身体愁訴」, 「睡眠の問題」, 「注意の問題」, 「攻撃的行動」の症状群尺度で, C-TRFは337人(男児150人: 女児187人)の素点をもとに, 「睡眠の問題」以外の症状群尺度で, それぞれの内向尺度, 外向尺度および全問題尺度でT得点を算出した. 信頼性と妥当性は, Cronbachのα係数と各尺度間の相関および確認的因子分析で適合度を検討した. CBCL/1 1/2 -5では, 性と年齢の影響を見るため重回帰分析を行った. 結果および考察: CBCL/1 1/2 -5はα係数の全体平均は.73で, C-TRFは.72となり, どちらも内的整合性は良好で, 尺度間の相互相関は全て正で有意で, 確認的因子分析では, C-TRFの外向尺度以外は, 適合度指標に問題は見られなかった. 重回帰分析では, 男児の方が「情緒反応」, 「引きこもり」, 「注意の問題」, 「攻撃的行動」に有意な影響を与え, 年齢群では, 低年齢群が「睡眠の問題」, 「注意の問題」, 「攻撃的行動」に, 高年齢群が「不安/抑うつ」と「引きこもり」に有意な影響を与えていた. 結語: ASEBAは国際的な実績を持ち, 様々な歴史的文化的背景の国々と比較することが可能である. 日本の標準値を作成することで, 国際比較を通し, 我が国の就学前児の行動評価に貢献すると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0289-0968 |