頸椎骨棘により嚥下障害を来した2例

頸椎骨棘を原因とする嚥下障害は1926年Mosher1)によって最初に報告された. 頸椎骨棘は高齢者の20~30%に生じる2)ともいわれ, 60歳以上の嚥下障害患者の約11%に頸椎骨棘が関与したとする報告もある3). 頸椎骨棘は高齢者における嚥下障害の診断で鑑別すべき原因といえる. Hyperostosisによる頸椎骨棘は前縦靱帯の骨化を伴い, 頸椎症の骨棘に比べて誤嚥を伴う嚥下障害を来たすまでに増殖し, 保存的加療が無効のため骨化巣削除術に至ることも珍しくない. 一般に術後は嚥下障害が改善すると考えられているが, 術前後にVideofluorography(以下VF)による嚥下機能評価を施行...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 9; pp. 609 - 612
Main Authors 小山祐司, 出江紳一, 石田暉, 酒泉和夫, 竹本喜一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.09.2000
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
Subjects
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ISSN0034-351X

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Summary:頸椎骨棘を原因とする嚥下障害は1926年Mosher1)によって最初に報告された. 頸椎骨棘は高齢者の20~30%に生じる2)ともいわれ, 60歳以上の嚥下障害患者の約11%に頸椎骨棘が関与したとする報告もある3). 頸椎骨棘は高齢者における嚥下障害の診断で鑑別すべき原因といえる. Hyperostosisによる頸椎骨棘は前縦靱帯の骨化を伴い, 頸椎症の骨棘に比べて誤嚥を伴う嚥下障害を来たすまでに増殖し, 保存的加療が無効のため骨化巣削除術に至ることも珍しくない. 一般に術後は嚥下障害が改善すると考えられているが, 術前後にVideofluorography(以下VF)による嚥下機能評価を施行した報告は少ない.
ISSN:0034-351X