血行再建を行った胃癌併存脾動脈瘤の1例

症例は71歳,女性.健診で胃の異常を指摘され,精査の結果,胃癌と診断され手術目的で当院を紹介となった.上部消化管内視鏡検査で胃体下部大彎に3型の腫瘍を認め,生検の結果印環細胞癌と診断された.術前に行った腹部エコー検査で膵体部に約20mmのlow echoic massを認め, magnetic resonance angiographyにて脾動脈瘤であることが確認された.手術はD2郭清を伴う幽門側胃切除術と,脾動脈瘤に対しては瘤切除を行い端々吻合で脾動脈再建を行った.術後経過は良好で術後16日目に軽快退院となった. 幽門側胃切除術の適応となる胃癌に脾動脈瘤を合併した場合,胃癌に対する術式として...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 320 - 324
Main Authors 栗栖, 茂, 梅木, 雅彦, 北出, 貴嗣, 大石, 達郎, 小山, 隆司
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.320

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Summary:症例は71歳,女性.健診で胃の異常を指摘され,精査の結果,胃癌と診断され手術目的で当院を紹介となった.上部消化管内視鏡検査で胃体下部大彎に3型の腫瘍を認め,生検の結果印環細胞癌と診断された.術前に行った腹部エコー検査で膵体部に約20mmのlow echoic massを認め, magnetic resonance angiographyにて脾動脈瘤であることが確認された.手術はD2郭清を伴う幽門側胃切除術と,脾動脈瘤に対しては瘤切除を行い端々吻合で脾動脈再建を行った.術後経過は良好で術後16日目に軽快退院となった. 幽門側胃切除術の適応となる胃癌に脾動脈瘤を合併した場合,胃癌に対する術式としては,残胃への血流を考慮し,脾動脈再建例では通常の幽門側胃切除術が,非再建例では胃全摘の選択が,現時点では支持されると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.320