セルフメディケーションに対する看護職者の知識と相談を受ける内容 - 職種による比較
「要旨」【目的】本研究の目的は, 看護系免許有資格者がセルフメディケーションに関してもつ知識が職種により異なるか否かを明らかにすることと, 看護職者が周りの人々から相談を受ける内容について実態を把握することである. 【方法】近畿の医療施設や保健所等に勤務する看護師, 保健師, 助産師に無記名式の質問調査票を配布し, 郵送返信法で回収した. 知識については「セルフメディケーションハンドブック2014」に掲載されている内容の認識の程度を三件法で回答を求めた. 知識の程度に職種間で差があるかをFisher正確確率検定と残差分析により分析した. 相談を受けた内容を自由記載形式で尋ねた. その内容から,...
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Published in | 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 27; pp. 77 - 89 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所
01.03.2020
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ISSN | 1881-6592 |
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Summary: | 「要旨」【目的】本研究の目的は, 看護系免許有資格者がセルフメディケーションに関してもつ知識が職種により異なるか否かを明らかにすることと, 看護職者が周りの人々から相談を受ける内容について実態を把握することである. 【方法】近畿の医療施設や保健所等に勤務する看護師, 保健師, 助産師に無記名式の質問調査票を配布し, 郵送返信法で回収した. 知識については「セルフメディケーションハンドブック2014」に掲載されている内容の認識の程度を三件法で回答を求めた. 知識の程度に職種間で差があるかをFisher正確確率検定と残差分析により分析した. 相談を受けた内容を自由記載形式で尋ねた. その内容から, 対象が何についての情報を必要としていたかを示す要素を抜き出しカテゴリー化した. 本研究は所属大学に設置されている研究倫理委員会から承認を得て実施した. 【結果】367名から回答を得た(回収率50.6%). 看護師業務従事者は, 一般用医薬品が医療控除の対象となったことについて認識している割合が, 保健師業務従事者に比べて少なかった. 一方で, 看護師業務従事者のうち薬剤の併用に関して高い知識をもつ者の割合は, 保健師業務従事者よりも高い傾向にあった. 看護職者は仕事やプライベートの場において, 感冒や疼痛に対して, 適切な市販薬の選択, 市販薬同士・市販薬と処方薬・処方薬同士の併用, 内服方法をはじめとする多様な事柄について相談を受けていた. 【結論】本調査結果からは, 看護職者のセルフメディケーションに関する知識の程度が職種により差があることと, 看護職者はプライベートや職務の場において, 薬に関して多様な相談を受ける体験を有していることが明らかとなった. |
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ISSN: | 1881-6592 |