抗生剤投与による胆道感染細菌叢の変化と胆管炎治療効果

Cefmetazole (CMZ) を主とした抗生剤を投与した外科的閉塞性黄疸患者21名の胆汁中細菌叢の変遷と, 胆管炎に対するその臨床効果を検討した. 感染菌はGram陰性桿菌の複合感染が多く, CMZ投与期間中はCMZに感受性の高い菌種のみその90%が減少し81%の症例の胆管炎症状がとれた. しかし感受性の低い菌種が新たに出現したり増殖する. 抗生剤投与を中止すると短期間で減少していた菌種が再び増え結局多数の菌種が共存することが多かった. 胆管炎症状を起している細菌は胆汁中の一部の菌種によることが多いものと考えられ, 胆道感染症の補動療法としての抗生剤治療は通常単剤投与でよいと考えられた....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 8; pp. 1851 - 1857
Main Authors 小林, 幸雄, 笠原, 国武, 轟, 健, 内田, 彰子, 深尾, 立, 岡村, 隆夫, 竹島, 徹, 高瀬, 靖広, 高田, 彰, 岩崎, 洋治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.08.1985
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.18.1851

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Summary:Cefmetazole (CMZ) を主とした抗生剤を投与した外科的閉塞性黄疸患者21名の胆汁中細菌叢の変遷と, 胆管炎に対するその臨床効果を検討した. 感染菌はGram陰性桿菌の複合感染が多く, CMZ投与期間中はCMZに感受性の高い菌種のみその90%が減少し81%の症例の胆管炎症状がとれた. しかし感受性の低い菌種が新たに出現したり増殖する. 抗生剤投与を中止すると短期間で減少していた菌種が再び増え結局多数の菌種が共存することが多かった. 胆管炎症状を起している細菌は胆汁中の一部の菌種によることが多いものと考えられ, 胆道感染症の補動療法としての抗生剤治療は通常単剤投与でよいと考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.18.1851