膝前十字靭帯再建術前の屈曲可動域制限が膝筋力に与える影響
〔要旨〕本研究の目的は, 膝前十字靱帯再建術前における膝屈曲可動域を踵殿間距離 (HH) で測定し, 術前のHH制限が術後の膝筋力に与える影響を明らかにすることである. 対象は, 当院で施行した膝前十字靭帯再建術前から術後5カ月, 術後8カ月, 術後1年時まで経時的に以下の調査項目を計側することが出来た294例 (男性101例, 女性193例) の後ろ向き研究である. 調査項目は, 年齢, 体重, 待機期間, 関節内構成体に対する処置の有無, 膝伸展・屈曲筋力の健患比, 脛骨前方移動量を調査した. 術前△HHが0cmの群 (良好群) と0.5cm以上の群 (不良群) の2群間で比較検討した....
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 54 - 59 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
31.01.2020
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕本研究の目的は, 膝前十字靱帯再建術前における膝屈曲可動域を踵殿間距離 (HH) で測定し, 術前のHH制限が術後の膝筋力に与える影響を明らかにすることである. 対象は, 当院で施行した膝前十字靭帯再建術前から術後5カ月, 術後8カ月, 術後1年時まで経時的に以下の調査項目を計側することが出来た294例 (男性101例, 女性193例) の後ろ向き研究である. 調査項目は, 年齢, 体重, 待機期間, 関節内構成体に対する処置の有無, 膝伸展・屈曲筋力の健患比, 脛骨前方移動量を調査した. 術前△HHが0cmの群 (良好群) と0.5cm以上の群 (不良群) の2群間で比較検討した. 結果は, 良好群と不良群において膝伸展・屈曲筋力は, 術前は良好群が有意に大きかったが, 術後は差がなかった. 術前の屈曲可動域制限は, 術後の膝伸展・屈曲筋力の回復に影響を与えなかった. |
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ISSN: | 1346-4159 |