MEN1に合併したProGRP高値を伴う肺神経内分泌腫瘍(定型カルチノイド)の1例

46歳,男性。健診胸部X線で異常陰影を指摘され当院受診した。胸部CTで左肺S10bに2.3cmの境界明瞭,平滑円形腫瘤を認め,FDG-PET/CT検査にて同部位にSUVmax90min=4.5の集積を認めた。血液検査ではProGRP 162pg/mlの高値を認めた。左肺小細胞癌疑いの診断で胸腔鏡下に左肺下葉部分切除術を施行したが,病理組織で定型肺カルチノイドと診断された。ProGRPは術後に基準値内に下降した。術後10年間,再発転移所見を認めていない。MEN1家族歴があったものの診断時には本人は認識していなかった。診断から10年後に家族歴が明らかとなり,MEN1を疑い追加検査を行った。原発性副...

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Published in日本内分泌外科学会雑誌 Vol. 41; no. 2; pp. 132 - 138
Main Authors 高野, 絵美梨, 渡邊, 瑞穂, 周山, 理紗, 三島, 英行, 坂田, 晃子, 内野, 眞也, 伊藤, 吾子, 八代, 享
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内分泌外科学会 2024
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Summary:46歳,男性。健診胸部X線で異常陰影を指摘され当院受診した。胸部CTで左肺S10bに2.3cmの境界明瞭,平滑円形腫瘤を認め,FDG-PET/CT検査にて同部位にSUVmax90min=4.5の集積を認めた。血液検査ではProGRP 162pg/mlの高値を認めた。左肺小細胞癌疑いの診断で胸腔鏡下に左肺下葉部分切除術を施行したが,病理組織で定型肺カルチノイドと診断された。ProGRPは術後に基準値内に下降した。術後10年間,再発転移所見を認めていない。MEN1家族歴があったものの診断時には本人は認識していなかった。診断から10年後に家族歴が明らかとなり,MEN1を疑い追加検査を行った。原発性副甲状腺機能亢進症を認め,その後の遺伝学的検査からMEN1と診断した。
ISSN:2434-6535
2758-8785
DOI:10.11226/ojjaes.41.2_132