慢性移植片対宿主病に対する体外フォトフェレーシス治療における医療者の業務量の検討

本邦において,ステロイド抵抗性・不耐容慢性移植片対宿主病(GVHD)に対して,体外フォトフェレーシス(ECP)が新たな治療選択肢に加わった。しかし,ECP治療を導入している施設は少なく,その地域も限られている。その要因として人的資源の問題が考えられるため,ECP治療に関わる医療者の業務量などについて検討した。1回のECP治療に平均約2時間を要していたが,脱血と返血を同時に行うダブルニードルモードを選択した症例では有意に短かった。また,血液浄化室でECP治療を実施した施設では,看護師,臨床工学技士が関わる平均時間は有意に短かった。静脈アクセスの方法や施設のECP実施場所により,ECP治療時間や医...

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Published in日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 Vol. 14; no. 3; pp. 181 - 187
Main Authors 城 友泰, 新井 康之, 西田 徹也, 渡邊 光正, 後藤 辰徳, 常峰 紘子, 有馬 靖佳, 村田 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本造血・免疫細胞療法学会 2025
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ISSN2436-455X
DOI10.7889/tct-25-009

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Summary:本邦において,ステロイド抵抗性・不耐容慢性移植片対宿主病(GVHD)に対して,体外フォトフェレーシス(ECP)が新たな治療選択肢に加わった。しかし,ECP治療を導入している施設は少なく,その地域も限られている。その要因として人的資源の問題が考えられるため,ECP治療に関わる医療者の業務量などについて検討した。1回のECP治療に平均約2時間を要していたが,脱血と返血を同時に行うダブルニードルモードを選択した症例では有意に短かった。また,血液浄化室でECP治療を実施した施設では,看護師,臨床工学技士が関わる平均時間は有意に短かった。静脈アクセスの方法や施設のECP実施場所により,ECP治療時間や医療者が関わる時間に差がみられたものの,医療者の業務量は多かった。今後,医療者の業務負担軽減の取り組みなどの情報共有を行い,ECP治療を必要とする患者にECP治療を提供できる体制を構築する必要がある。
ISSN:2436-455X
DOI:10.7889/tct-25-009