上行結腸に発生した扁平上皮癌の1例

上行結腸に発生した扁平上皮癌を経験したので報告する. 症例は51歳の男性で, 下腹部痛を主訴とし, 精査の結果, 多発肝転移を伴う上行結腸癌と診断し, 結腸右半切除術を施行した. 標本全割による病理組織学的所見では, 腺腫成分は認めたが, 腺癌成分は認めず, 角化像を認めたため, 中分化型扁平上皮癌と診断した. 第27病日に退院となったが, 第65病日に悪液質により死亡した. 本疾患の発生については, 腺腫成分を伴っていることより, 腺腫よりの発癌が示唆された. 本疾患は発見時すでに遠隔転移を来している症例が多いため予後不良であり, 集学的治療の改善により成績の改善が期待される....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 6; pp. 712 - 716
Main Authors 鈴木, 芳明, 森, 康治, 葦沢, 龍人, 青木, 利明, 寿美, 哲生, 勝又, 健次, 青木, 達哉, 高木, 眞人, 冨岡, 英則, 望月, 眞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.06.2005
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.38.712

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Summary:上行結腸に発生した扁平上皮癌を経験したので報告する. 症例は51歳の男性で, 下腹部痛を主訴とし, 精査の結果, 多発肝転移を伴う上行結腸癌と診断し, 結腸右半切除術を施行した. 標本全割による病理組織学的所見では, 腺腫成分は認めたが, 腺癌成分は認めず, 角化像を認めたため, 中分化型扁平上皮癌と診断した. 第27病日に退院となったが, 第65病日に悪液質により死亡した. 本疾患の発生については, 腺腫成分を伴っていることより, 腺腫よりの発癌が示唆された. 本疾患は発見時すでに遠隔転移を来している症例が多いため予後不良であり, 集学的治療の改善により成績の改善が期待される.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.38.712