人工膵による耐糖能低下重症患者の血糖制御時における血糖値精度の検討
人工膵(日機装社製STG-11A, 22)の測定血糖値(BGAP)の変動原因を、1)患者要因、2)採血カラLテル、3)採血チューブ、4)人工膵本体に分けて検討した。カテーテルは上大静脈に留置し、glucose液、血液を用いたin vitro実験も施行した。【結果】臨床使用時、1)上大静脈圧上昇でカテ-テル先端血液希釈濃度(以下希釈率)が増加し、BGAPは10-80%上昇した。2)カテーテル先端閉塞で希釈率が低下してBGAPは低下し、IVHカテへの近接でBGAPは増加した。3)細径(径0.3mm)チューブの使用でBGAPは30%以上低下した。4)血栓の電極付着でBGAPは1/3に低下した。電気的...
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Published in | 人工臓器 Vol. 27; no. 1; pp. 227 - 232 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.02.1998
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Subjects | |
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.27.227 |
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Summary: | 人工膵(日機装社製STG-11A, 22)の測定血糖値(BGAP)の変動原因を、1)患者要因、2)採血カラLテル、3)採血チューブ、4)人工膵本体に分けて検討した。カテーテルは上大静脈に留置し、glucose液、血液を用いたin vitro実験も施行した。【結果】臨床使用時、1)上大静脈圧上昇でカテ-テル先端血液希釈濃度(以下希釈率)が増加し、BGAPは10-80%上昇した。2)カテーテル先端閉塞で希釈率が低下してBGAPは低下し、IVHカテへの近接でBGAPは増加した。3)細径(径0.3mm)チューブの使用でBGAPは30%以上低下した。4)血栓の電極付着でBGAPは1/3に低下した。電気的アティファクトでBGAPが瞬時に10倍以上となった。実験結果は、1)カラLテル先端を50cm高くすると、希釈率は30%上昇した。2)チューブ抵抗2.7倍増加で希釈率は45%上昇した。しかし、血液を用いると、吸引量が低下して希釈率は逆に低下し、細径チュープ使用時のBGAP低下原因と思われた。【結語】人工膵の臨床使用上、血糖誤差要因に熟知しておくことは重要と考えられた。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.27.227 |