味覚障害と「亜鉛」―わが生涯の課題

「1. はじめに」池田会長から, 本学会も第20回という節目を迎えたので, 初代理事長として記念講演をして欲しい, と依頼された. 構想も纏まらぬまま, 講演内容を催促されたので, 予稿集には本会発足当時のことを披露することとしたが, そんな内容では勿体無い. 幸い日本における亜鉛研究の流れについては, “亜鉛研究の歴史と展開”と題してビタミン誌に掲載された論文がある(ビタミン75巻12号2001). 内容は以下の通りである. (1)「亜鉛」の命名は誰がしたのか (2)世界史における亜鉛の登場 (3)「亜鉛」命名の罪 (4)亜鉛の必須性の発見 (5)ヒトの亜鉛欠乏症(続発性)の発見 (6)味覚...

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Published inBIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 20; no. 3; pp. 199 - 208
Main Author 冨田寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本微量元素学会 2009
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ISSN0916-717X

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Summary:「1. はじめに」池田会長から, 本学会も第20回という節目を迎えたので, 初代理事長として記念講演をして欲しい, と依頼された. 構想も纏まらぬまま, 講演内容を催促されたので, 予稿集には本会発足当時のことを披露することとしたが, そんな内容では勿体無い. 幸い日本における亜鉛研究の流れについては, “亜鉛研究の歴史と展開”と題してビタミン誌に掲載された論文がある(ビタミン75巻12号2001). 内容は以下の通りである. (1)「亜鉛」の命名は誰がしたのか (2)世界史における亜鉛の登場 (3)「亜鉛」命名の罪 (4)亜鉛の必須性の発見 (5)ヒトの亜鉛欠乏症(続発性)の発見 (6)味覚障害と亜鉛 (7)先天性亜鉛欠乏症の発見 (8)人為的(医原性)亜鉛欠乏症の発生 (9)重要多彩な亜鉛の生理作用の解明 (10)遺伝情報に関与する亜鉛含有タンパク(zinc fingerなど)の発見 (11)日本における亜鉛研究の流れ. これを読んで戴くことで, 会員の欠伸を誘うことは無いであろう. 急遽, 別冊を講演会場で配布してもらうこととした.
ISSN:0916-717X