3D-CTを用いた日本人膝関節骨格形態測定 - TKAへの応用

「はじめに」人工膝関節置換術(以下TKAと略す)において, 良好な可動域・関節安定性を得るためには, より適合したコンポーネントの設置が必要であり, そのためには膝関節の形態を知ることが重要である. TKAのコンポーネントは欧米で開発されたものが多く, 日本人の膝関節骨格に適合しないこともしばしば経験する. これまで, 日本人の膝関節の骨格形態に関して単純X線像を用いて検討した三宅, 宮坂らや小林らの報告, MRIを用いて測定した西脇らの報告はあるが, 3D-CTでの報告はない. 今回TKA対象患者においてmultiple slice-CT装置で収集したデータを用いて日本人膝関節の骨格測定を行...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 28; no. 2; pp. 227 - 234
Main Authors 角南浩史, 池田登, 小谷博信, 川合準, 石部達也, 中村健次, 上尾豊二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2009
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ISSN1883-2873

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Summary:「はじめに」人工膝関節置換術(以下TKAと略す)において, 良好な可動域・関節安定性を得るためには, より適合したコンポーネントの設置が必要であり, そのためには膝関節の形態を知ることが重要である. TKAのコンポーネントは欧米で開発されたものが多く, 日本人の膝関節骨格に適合しないこともしばしば経験する. これまで, 日本人の膝関節の骨格形態に関して単純X線像を用いて検討した三宅, 宮坂らや小林らの報告, MRIを用いて測定した西脇らの報告はあるが, 3D-CTでの報告はない. 今回TKA対象患者においてmultiple slice-CT装置で収集したデータを用いて日本人膝関節の骨格測定を行った. その計測データを現在, 当院で使用しているTKAのコンポーネントと比較検討したので報告する. 「対象と方法」当院でTKAの予定となった132症例132関節を対象とした. 男性22膝, 女性110膝, 平均年齢75.0歳(53~88歳)であった. TKA術前, 全例にmultiple CT scanを行い, そのデータを用いて大腿骨・脛骨の3Dモデルを作成した.
ISSN:1883-2873