柴胡桂枝湯長期服用による易感冒児の改善効果について

年間に6同以上感冒症状を呈する小児を易感冒児と定義した。これら易感冒児18例に, 治療目的で, 医療用柴胡桂枝湯製剤0.1から0.259/kg/日を投与した。4ヵ月から30ヵ月にわたる服用の結果, 著効4例22%, 有効12例67%, 不変2例11%, 悪化という成績であった。服用後に保護者に対し書面にて回答を求めた結果では, 発熱の改善を挙げたものが最も多く, 14例78%に達した。次いで食思の改善が7例39%であった。 投与中および投与後にもみとめるべき副作用はなかった。 感冒に罹患しやすい状態の改善を目的とする現代医薬品を見い出し難い現状において, 柴胡桂枝湯はその高い安全性からも, 小...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 149 - 155
Main Authors 中島, 章, 河田, 博文, 秋葉, 哲生, 鈴木, 重紀, 荒木, 康雄, 古川, 和美
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 01.01.1991
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.41.149

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Summary:年間に6同以上感冒症状を呈する小児を易感冒児と定義した。これら易感冒児18例に, 治療目的で, 医療用柴胡桂枝湯製剤0.1から0.259/kg/日を投与した。4ヵ月から30ヵ月にわたる服用の結果, 著効4例22%, 有効12例67%, 不変2例11%, 悪化という成績であった。服用後に保護者に対し書面にて回答を求めた結果では, 発熱の改善を挙げたものが最も多く, 14例78%に達した。次いで食思の改善が7例39%であった。 投与中および投与後にもみとめるべき副作用はなかった。 感冒に罹患しやすい状態の改善を目的とする現代医薬品を見い出し難い現状において, 柴胡桂枝湯はその高い安全性からも, 小児の易感冒状態改善にひろく用いられ得る薬剤と考えられる。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.41.149