イサザアミNeomysis intermediaCZERNIAWSKYの漁業生物学的研究 III. 生活史, 特に生殖について

1) イサザアミ, Neomysis intermedia CZERNIAWSKYの生活史のうち主に生殖に関し報告した。 2) 雌雄の判別は成熟した個体においては雌では哺育嚢, 雄ではペニス, 第1触角基節の葉状片および伸長した第4腹肢外肢をそれぞれ保有することにより可能である。 3) 雄に比し雌は大きい。 4) 雌雄比はおおむね1: 1であるが, 時に一方に偏することがある。 5) 主な産卵期は3月中旬より10月までであるが, 夏季7, 8月は産卵に好適な季節とは認め難い。 6) 産卵群は越年型と当年型とに分けられ, 前者は前年の秋に生まれたもので3~6月に, 後者は越年型より生まれたもので...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in水産増殖 Vol. 12; no. 1; pp. 19 - 30
Main Author 村野, 正昭
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本水産増殖学会 30.06.1964
Online AccessGet full text
ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci1953.12.19

Cover

More Information
Summary:1) イサザアミ, Neomysis intermedia CZERNIAWSKYの生活史のうち主に生殖に関し報告した。 2) 雌雄の判別は成熟した個体においては雌では哺育嚢, 雄ではペニス, 第1触角基節の葉状片および伸長した第4腹肢外肢をそれぞれ保有することにより可能である。 3) 雄に比し雌は大きい。 4) 雌雄比はおおむね1: 1であるが, 時に一方に偏することがある。 5) 主な産卵期は3月中旬より10月までであるが, 夏季7, 8月は産卵に好適な季節とは認め難い。 6) 産卵群は越年型と当年型とに分けられ, 前者は前年の秋に生まれたもので3~6月に, 後者は越年型より生まれたもので4~10月に産卵を行なう。 7) 産卵数は1~46粒が観察されたが, 春秋季に多く夏季に少ない。 8) 哺育日数は30℃で6日, 25℃で7日, 21℃で8~9日であるが低温期には最高20日が記録された。 9) 生存期間および産卵回数は越年型で5~7ケ月生存して3~6回, 当年型では2~2.5ケ月生存して2~4回が推定される。 10) 1年に7~9回の世代の交替があるものと推定される。
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci1953.12.19