St.ThomasⅡを用いた晶質液心筋保護法と血液心筋保護法の比較 傾向スコアマッチングによる比較

St.ThomasⅡcrystalloid cardioplegia(CCP)を用いた長時間間隔の心筋保護の安全性は確立されていない。本研究は低侵襲僧帽弁手術を受ける患者を対象にSt.ThomasⅡCCPを60分間間隔で投与した場合の安全性を、blood cardioplegia(BCP)と比較して評価した。低侵襲僧帽弁手術を行った症例97件を対象とした。BCP 30分間隔(B群)とCCP 60分間隔(C群)に分け、propensity score matching(PSM)にて交絡因子の調整を行い、術後のCK-MBを比較検討した。Max.CK-MBはB群:58U/L vs. C群:37U/L...

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Published in体外循環技術 Vol. 50; no. 4; pp. 428 - 433
Main Authors 成田, 孝行, 山﨑, 大輔, 本吉, 宣也, 佐藤, 貴彦, 南谷, 克明, 紙谷, 寛之, 宗万, 孝次, 本間, 祐平, 天内, 雅人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2023
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.50.428

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Summary:St.ThomasⅡcrystalloid cardioplegia(CCP)を用いた長時間間隔の心筋保護の安全性は確立されていない。本研究は低侵襲僧帽弁手術を受ける患者を対象にSt.ThomasⅡCCPを60分間間隔で投与した場合の安全性を、blood cardioplegia(BCP)と比較して評価した。低侵襲僧帽弁手術を行った症例97件を対象とした。BCP 30分間隔(B群)とCCP 60分間隔(C群)に分け、propensity score matching(PSM)にて交絡因子の調整を行い、術後のCK-MBを比較検討した。Max.CK-MBはB群:58U/L vs. C群:37U/L(p=0.168)と両群間に有意差はなかった。St.ThomasⅡCCPは、60分の投与間隔でもBCPと同等の心筋保護効果が得られる可能性が示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.50.428