作業療法士は児童虐待とどのように向き合うべきか スコーピングレビューから見る現状と課題

児童虐待は,子どもの健康や幸福に悪影響を与え,長期的な身体的・精神的問題のリスクを高めるとされており,虐待の早期発見,家族支援,多職種連携が重要視されている.本研究では,OT領域の児童虐待に係る先行研究を体系的に整理し,今後の研究における優先課題を明らかにすることを目的として,スコーピングレビューを実施した.305件の論文をスクリーニングし,19件を対象に分析した結果,記述的研究が多数を占め,具体的な介入方法や多職種間の効果的な協力に係る仮説検証研究や介入・応用研究が不足していることが明らかとなった.今後,臨床現場での介入の実効性を検証し,具体的な介入モデルを確立するための研究が必要である....

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Published in作業療法 Vol. 44; no. 4; pp. 375 - 385
Main Authors 中村 拓人, 池田 公平, 後藤 健太郎, 濱田 匠, 笹田 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本作業療法士協会 15.08.2025
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ISSN0289-4920
2434-4419
DOI10.32178/jotr.44.4_375

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Summary:児童虐待は,子どもの健康や幸福に悪影響を与え,長期的な身体的・精神的問題のリスクを高めるとされており,虐待の早期発見,家族支援,多職種連携が重要視されている.本研究では,OT領域の児童虐待に係る先行研究を体系的に整理し,今後の研究における優先課題を明らかにすることを目的として,スコーピングレビューを実施した.305件の論文をスクリーニングし,19件を対象に分析した結果,記述的研究が多数を占め,具体的な介入方法や多職種間の効果的な協力に係る仮説検証研究や介入・応用研究が不足していることが明らかとなった.今後,臨床現場での介入の実効性を検証し,具体的な介入モデルを確立するための研究が必要である.
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.44.4_375