QM/MM法と溶液の理論の融合による凝縮系の化学過程の自由エネルギー計算(20) 凝縮系の第一原理計算の方法論について

Becke-Roussel(BR) の交換汎関数は,水素様原子の電子波動関数を交換ホールのモデルとして用いる.従って,原子,分子に対する電子密度汎関数法(DFT) の適用においては,交換エネルギー密度や交換ポテンシャルの重要な性質である長距離性を自然に再現すると考えられる.しかしながら,交換エネルギーの電子密度についての汎関数微分の明示的な式が得られない為,平面波や実空間グリッド基底を用いるKohn-Sham DFT の変分計算には応用できない.本記事では,修正されたBR 法によってこの問題を解決する方法を概説し,その利点や問題点を議論する....

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Published inアンサンブル Vol. 22; no. 2; pp. 169 - 172
Main Author 高橋, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 分子シミュレーション学会 30.04.2020
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ISSN1884-6750
1884-5088
DOI10.11436/mssj.22.169

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Summary:Becke-Roussel(BR) の交換汎関数は,水素様原子の電子波動関数を交換ホールのモデルとして用いる.従って,原子,分子に対する電子密度汎関数法(DFT) の適用においては,交換エネルギー密度や交換ポテンシャルの重要な性質である長距離性を自然に再現すると考えられる.しかしながら,交換エネルギーの電子密度についての汎関数微分の明示的な式が得られない為,平面波や実空間グリッド基底を用いるKohn-Sham DFT の変分計算には応用できない.本記事では,修正されたBR 法によってこの問題を解決する方法を概説し,その利点や問題点を議論する.
ISSN:1884-6750
1884-5088
DOI:10.11436/mssj.22.169