多層構造の人工バリア概念設計のための核種移行遅延機能の簡易評価 各層からの定常放出フラックスの一括導出

設計プロセスに核種移行解析の結果をフィードバックしやすくすることを目的に,多層構造の人工バリアが持つ核種移行遅延機能を簡易に評価するために,各層からの定常放出フラックスを導出する手順を整備した.本手順は,人工バリアを構成する個々の領域に対して両端のフラックスを未知数として形式的に与えて定常解を導出し,連立一次方程式を解いて各領域界面における未定フラックスを直接かつ同時に決定するものであり,入口が定フラックスで,出口が自然境界,ゼロ濃度,ミキシングセルの3条件に対する定式化を行ない,仮想的な多層人工バリアに対する評価を行った.また,本法は層の追加が容易であり,劣化層などを層間に挿入することで,バ...

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Published in原子力バックエンド研究 Vol. 30; no. 2; pp. 32 - 42
Main Authors 大江, 俊昭, 矢込, 吉則, 稲井, 隆将, 若杉, 圭一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会 15.12.2023
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ISSN1884-7579
1884-7579
DOI10.3327/jnuce.30.2_32

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Summary:設計プロセスに核種移行解析の結果をフィードバックしやすくすることを目的に,多層構造の人工バリアが持つ核種移行遅延機能を簡易に評価するために,各層からの定常放出フラックスを導出する手順を整備した.本手順は,人工バリアを構成する個々の領域に対して両端のフラックスを未知数として形式的に与えて定常解を導出し,連立一次方程式を解いて各領域界面における未定フラックスを直接かつ同時に決定するものであり,入口が定フラックスで,出口が自然境界,ゼロ濃度,ミキシングセルの3条件に対する定式化を行ない,仮想的な多層人工バリアに対する評価を行った.また,本法は層の追加が容易であり,劣化層などを層間に挿入することで,バリアの一部が状態を変化させた場合にも,迅速かつ確実に解が得られることを示した.
ISSN:1884-7579
1884-7579
DOI:10.3327/jnuce.30.2_32