スギ集成材を用いた鋼板挿入ドリフトピン接合部の二面せん断性能における接合具の千鳥配置の影響

鋼板挿入ドリフトピン接合において,ドリフトピンの千鳥状配置は接合部サイズの縮小化につながり得る。そのためには,脆性的な挙動を示さないための千鳥配置条件を明らかにする必要がある。本研究では,様々なドリフトピンの配置間隔の下で二面せん断試験を行い,靭性的な挙動を示す千鳥幅と接合具間隔の組み合わせを明らかにした。例えば,接合具間隔が接合具径の6倍以上であれば靭性的な挙動が見られ,5倍の場合では千鳥幅が小さい条件で脆性的な挙動が見られた。3.5倍の場合では,千鳥幅によらずいずれも脆性的となった。また,平面座標上の楕円を用いて配置条件の数値化を試みており,変形性能を簡易的に保証する方法を提案した。この知...

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Published in木材学会誌 Vol. 71; no. 3; pp. 101 - 110
Main Authors 小川 敬多, 小林 研治, 小原 綾矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.07.2025
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.71.101

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Summary:鋼板挿入ドリフトピン接合において,ドリフトピンの千鳥状配置は接合部サイズの縮小化につながり得る。そのためには,脆性的な挙動を示さないための千鳥配置条件を明らかにする必要がある。本研究では,様々なドリフトピンの配置間隔の下で二面せん断試験を行い,靭性的な挙動を示す千鳥幅と接合具間隔の組み合わせを明らかにした。例えば,接合具間隔が接合具径の6倍以上であれば靭性的な挙動が見られ,5倍の場合では千鳥幅が小さい条件で脆性的な挙動が見られた。3.5倍の場合では,千鳥幅によらずいずれも脆性的となった。また,平面座標上の楕円を用いて配置条件の数値化を試みており,変形性能を簡易的に保証する方法を提案した。この知見は,接合部設計に有用と考える。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.71.101