電気泳動法による糖鎖分析システムでの尿中オリゴ糖の臨床的検討

「はじめに」糖蛋白, ムコ多糖体(プロテオグリカン)あるいは糖脂質は複合糖質として種々の生物活性をもつ重要な機能分子として産生される. 複合糖質の構造はコア分子として, 蛋白あるいは脂質であり, このコア分子に糖鎖を結合した状態である1, 2). すなわち, アスパラギン残基に結合している糖鎖をAsn結合型糖鎖(N型糖鎖)およびセリン, スレオニン残基に結合している糖鎖をムチン型糖鎖(O型糖鎖)と呼んでいる. また, この結合する糖鎖が短いオリゴ糖鎖の場合を一般に糖蛋白と呼び, 糖鎖が長く, 2糖繰り返し構造をもつグリコサミノグリカン(GAG)の場合をプロテオグリカンと呼んでいる. 一方, 脂...

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Published in生物物理化学 Vol. 40; no. 3; pp. 119 - 122
Main Authors 目黒嵩, 鈴木昌行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 15.06.1996
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ISSN0031-9082

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Summary:「はじめに」糖蛋白, ムコ多糖体(プロテオグリカン)あるいは糖脂質は複合糖質として種々の生物活性をもつ重要な機能分子として産生される. 複合糖質の構造はコア分子として, 蛋白あるいは脂質であり, このコア分子に糖鎖を結合した状態である1, 2). すなわち, アスパラギン残基に結合している糖鎖をAsn結合型糖鎖(N型糖鎖)およびセリン, スレオニン残基に結合している糖鎖をムチン型糖鎖(O型糖鎖)と呼んでいる. また, この結合する糖鎖が短いオリゴ糖鎖の場合を一般に糖蛋白と呼び, 糖鎖が長く, 2糖繰り返し構造をもつグリコサミノグリカン(GAG)の場合をプロテオグリカンと呼んでいる. 一方, 脂質をコア分子とした複合糖質を糖脂質と呼び, 結合しているオリゴ糖の糖鎖構造は蛋白あるいは脂質のコア分子でも基本的には同様である. 生体における複合糖質は種々のグリコシダーゼによって特異的に加水分解を受け, 単糖, オリゴ糖あるいは多糖体に切断される.
ISSN:0031-9082