自治会単位の健康づくりに関する住民組織育成のための研修プログラムの効果の検討 住民組織メンバーの変化
【目的】地域の健康課題解決・改善を目指し行政保健師と研究者らが協働し住民組織を育成するための研修プログラムを試作した.そのプログラムの効果をモデル地区へ試験的導入により検討することを目的とした.【方法】B町4自治会から選出された住民組織メンバー6名を対象に,住民組織育成プログラムを2年間12回実施した.その効果の検証として定量的評価では無記名自記式質問紙による縦断調査( 介入前,介入1年後,介入2年後)を行った.調査内容は健康関連QOL SF-8,地域社会への態度尺度,生活習慣,Social Capita(l SC)指標,基本属性等である.分析はMixed Modelを用いて時系列変化に注目し...
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Published in | 桐生大学紀要 Vol. 32; pp. 85 - 93 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
桐丘学園 桐生大学・桐生大学短期大学部
2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2186-4748 2435-7049 |
DOI | 10.34506/bku.32.0_85 |
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Summary: | 【目的】地域の健康課題解決・改善を目指し行政保健師と研究者らが協働し住民組織を育成するための研修プログラムを試作した.そのプログラムの効果をモデル地区へ試験的導入により検討することを目的とした.【方法】B町4自治会から選出された住民組織メンバー6名を対象に,住民組織育成プログラムを2年間12回実施した.その効果の検証として定量的評価では無記名自記式質問紙による縦断調査( 介入前,介入1年後,介入2年後)を行った.調査内容は健康関連QOL SF-8,地域社会への態度尺度,生活習慣,Social Capita(l SC)指標,基本属性等である.分析はMixed Modelを用いて時系列変化に注目した検定を行った.定性的評価では介入1年後と介入2年後にインタビューを実施し質的に分析した.【結果】生活習慣得点は介入による有意な上昇が認められた.SF-8,地域社会への態度尺度,SC指標では有意な変化は認められなかった.インタビューでは介入1年後は【役割・活動に対する戸惑い】【自身・家族,地域住民の健康への気遣い】などが抽出された.介入2年後は【活動への責任と達成感】【地域の人とのつながりの拡大】【地域への愛着が湧く】などが抽出された.【結論】統計検出力が低いにもかかわらず,メンバーの生活習慣に改善が見られた.定性的評価では活動1年後より2年後において活動を通した変化や効果が語られていた.対象者数を増やすことで,他の側面でも望ましい変化が期待できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 2186-4748 2435-7049 |
DOI: | 10.34506/bku.32.0_85 |