乳腺疾患に対する内視鏡下手術

乳腺内視鏡手術は内視鏡手術手技により手術創の縮小化と移動を実現し整容性と手術効果の両面を満足させることができる乳房温存手術であり,日本で独自に開発された術式である.各術式は腋窩アプローチ法,傍乳輪アプローチ,外側アプローチ法,乳房下アプローチ法に分類され,それぞれ完全内視鏡手術と内視鏡補助手術が行われている.腫瘍径 2 cm 以上では何らかの乳房の変形が生じるため再建術の併用が必要と思われた.当科では現在セルロース,コラーゲンによる充填法を施行しており良好な成績を得ている.乳腺内視鏡手術は無作為比較試験による直接的証明はされていないものの従来法と同等の手術効果と安全性を持ちかつ整容性の面では優...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 75 - 79
Main Authors 藤井, 雅志, 松田, 年, 佐藤, 一雄, 森下, 友起恵, 高山, 忠利, 加茂, 知久, 山形, 基夫, 杉山, 順子, 萩原, 謙, 林, 成興
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.04.2008
Subjects
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.67.75

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Summary:乳腺内視鏡手術は内視鏡手術手技により手術創の縮小化と移動を実現し整容性と手術効果の両面を満足させることができる乳房温存手術であり,日本で独自に開発された術式である.各術式は腋窩アプローチ法,傍乳輪アプローチ,外側アプローチ法,乳房下アプローチ法に分類され,それぞれ完全内視鏡手術と内視鏡補助手術が行われている.腫瘍径 2 cm 以上では何らかの乳房の変形が生じるため再建術の併用が必要と思われた.当科では現在セルロース,コラーゲンによる充填法を施行しており良好な成績を得ている.乳腺内視鏡手術は無作為比較試験による直接的証明はされていないものの従来法と同等の手術効果と安全性を持ちかつ整容性の面では優れている事から今後の普及が期待される術式である.しかしその最大の目的である整容性を保持するためには厳格に適応を守り,内視鏡手術特有の合併症について十分な対策を立てておく必要がある.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.67.75