胆嚢結石症治療における胆嚢温存療法の位置付け E S W L 治療後の再発と胆摘術後症状の検討から
[目的] 胆石治療法の効率的な選択を目的として検討を行った.[方法] (1)当科にてESWLを施行した298例を対象とし,結石消失後の再発因子を検討した.再発群においては,高齢群(65歳以上)と若年群に分けて検討した.(2)手術時に採取した59例の胆汁を用いてコレステロール結晶析出時間(NT)測定と胆汁脂質分析を行い,胆石催石性との関連を検討した.(3)当科および関連施設にて胆石治療を行った673例でのアンケート調査をもとに,術後に出現した症状について検討した.[結果] 結石再発因子として術前胆嚢収縮能の低下が関連していた(胆嚢収縮能低下者の割合;再発群52.3%vs非再発群23.5%).高齢...
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Published in | 胆道 Vol. 18; no. 2; pp. 108 - 113 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
31.05.2004
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Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando1987.18.2_108 |
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Summary: | [目的] 胆石治療法の効率的な選択を目的として検討を行った.[方法] (1)当科にてESWLを施行した298例を対象とし,結石消失後の再発因子を検討した.再発群においては,高齢群(65歳以上)と若年群に分けて検討した.(2)手術時に採取した59例の胆汁を用いてコレステロール結晶析出時間(NT)測定と胆汁脂質分析を行い,胆石催石性との関連を検討した.(3)当科および関連施設にて胆石治療を行った673例でのアンケート調査をもとに,術後に出現した症状について検討した.[結果] 結石再発因子として術前胆嚢収縮能の低下が関連していた(胆嚢収縮能低下者の割合;再発群52.3%vs非再発群23.5%).高齢者では胆嚢収縮能低下にもかかわらず,再発率は増加していなかった.手術材料での胆汁分析では,高齢者胆汁にて胆汁総脂質濃度が低下しNTは延長した.胆嚢摘出後には,術後に新たな腹部症状の出現する頻度が高かった(ESWL6.4%vs胆嚢摘出術28.3%). [結語]胆石治療においては術前の結石の性状や胆嚢機能,年齢などを考慮してESWLも念頭において治療法を選択する必要がある. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.18.2_108 |