介護老人保健施設での看護場面におけるタッチの特徴

本研究は,看護の技としてのタッチを見出すことを目的とし,介護老人保健施設の高齢者看護場面でどのようなタッチが行われているのか,看護師—高齢者相互作用場面の観察によって予備的に調査を行った. 観察した33場面を質的帰納的に分析した結果,タッチは「生活援助に伴うタッチ」「感情を伝えるタッチ」「反応を引き出すタッチ」「抑えるタッチ」「援助を円滑にすすめるためのタッチ」の5カテゴリーに分類された.また,身体には触れないがタッチと同様の意味を持つ手の用い方や看護師の身体を接近させるかかわりも見出された. 結果より,高齢者の状況に合わせてタッチが効果的に用いられている一端がうかがえ,介護老人保健施設の看護...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 7; no. 1; pp. 70 - 78
Main Authors 浅井 さおり, 田上 明日香, 沼本 教子, 西田 真寿美, 高田 早苗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2002
一般社団法人 日本老年看護学会
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Summary:本研究は,看護の技としてのタッチを見出すことを目的とし,介護老人保健施設の高齢者看護場面でどのようなタッチが行われているのか,看護師—高齢者相互作用場面の観察によって予備的に調査を行った. 観察した33場面を質的帰納的に分析した結果,タッチは「生活援助に伴うタッチ」「感情を伝えるタッチ」「反応を引き出すタッチ」「抑えるタッチ」「援助を円滑にすすめるためのタッチ」の5カテゴリーに分類された.また,身体には触れないがタッチと同様の意味を持つ手の用い方や看護師の身体を接近させるかかわりも見出された. 結果より,高齢者の状況に合わせてタッチが効果的に用いられている一端がうかがえ,介護老人保健施設の看護場面では,高齢者の能力を生かすようなタッチ,看護者という役割をこえた親しみを込めたタッチが特徴的であった.また,今後「触れる」ことの意味を「触れない」ことの意味とともに検討していく必要性が示唆された.
Bibliography:研究ノート
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.7.1_70