造血器腫瘍のために通院しながら社会生活を送っている20代・30代の人々の希望について

要旨 本研究の目的は,造血器腫瘍のために通院しながら社会生活を送っている病名告知を受けた20代・30代の人々の希望と希望の維持に関連する要因について明らかにすることである.希望を「生きる力をもたらす未来に対する可能性の感覚」と定義し,大学病院の血液内科外来に通院中の4名の患者に対し,半構成的面接調査を実施した.得られたデータは質的帰納的に分析をした.その結果,対象者の希望として,【生命の存続に関する希望】,【病気からの解放に関する希望】,【自分の将来の生活や夢が思い描ける状態】,【自分というものの維持に関する希望】,【他者を通して感じる希望】の5つが,希望の維持に関連する要因として,《未来につ...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 24; no. 4; pp. 83 - 91
Main Authors 相原 優子, 佐藤 栄子, 橋本 秀和, 恵美 宣彦, 松下 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 30.12.2004
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ISSN0287-5330
2185-8888

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Summary:要旨 本研究の目的は,造血器腫瘍のために通院しながら社会生活を送っている病名告知を受けた20代・30代の人々の希望と希望の維持に関連する要因について明らかにすることである.希望を「生きる力をもたらす未来に対する可能性の感覚」と定義し,大学病院の血液内科外来に通院中の4名の患者に対し,半構成的面接調査を実施した.得られたデータは質的帰納的に分析をした.その結果,対象者の希望として,【生命の存続に関する希望】,【病気からの解放に関する希望】,【自分の将来の生活や夢が思い描ける状態】,【自分というものの維持に関する希望】,【他者を通して感じる希望】の5つが,希望の維持に関連する要因として,《未来についての望みの存在》,《希望の障壁》,《性格特性・価値観》,《希望の障壁を乗り越えるための方略》,《希望を支える環境要因》の5つが導き出された.これらの結果は,看護職をはじめ患者の周りにいる人々が,患者の希望を支えるための関わりを考えるうえで参考にできる一視点となると考える.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888