鹿児島県におけるチャノホソガ(チョウ目: ホソガ科)のフルフェノクスロンに対する薬剤抵抗性

鹿児島県内各地のチャ園においてチャの重要害虫であるチャノホソガに対するベンゾイル尿素系IGR剤の防除効果を検討した。その結果,南薩地域では防除効果が低いことが明らかになった。次に,県内各地の地域個体群について感受性検定を行った結果,南薩地域個体群ではフルフェノクスロンに対するLC50値が21.5~57.0ppm(抵抗性比239~356倍)を示し,感受性低下が確認された。その原因は他の害虫を含めた防除に本剤を約10年以上連用したことにあると推測された。なお,南薩地域以外の個体群ではベンゾイル尿素系IGR剤の効果は高かった。一方,ジアシルヒドラジン系IGR剤のメトキシフェノジド,および非IGR剤で...

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Published inNihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi Vol. 61; no. 2; pp. 99 - 107
Main Authors 上室, 剛, 東垂水, 昭子, 末永, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.05.2017
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ISSN0021-4914

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Summary:鹿児島県内各地のチャ園においてチャの重要害虫であるチャノホソガに対するベンゾイル尿素系IGR剤の防除効果を検討した。その結果,南薩地域では防除効果が低いことが明らかになった。次に,県内各地の地域個体群について感受性検定を行った結果,南薩地域個体群ではフルフェノクスロンに対するLC50値が21.5~57.0ppm(抵抗性比239~356倍)を示し,感受性低下が確認された。その原因は他の害虫を含めた防除に本剤を約10年以上連用したことにあると推測された。なお,南薩地域以外の個体群ではベンゾイル尿素系IGR剤の効果は高かった。一方,ジアシルヒドラジン系IGR剤のメトキシフェノジド,および非IGR剤であるネオニコチノイド系のジノテフランとジアミド系のクロラントラニリプロールは県内のいずれの地域でも効果が認められた。今後は地域により作用性の異なる殺虫剤を用いた体系防除を行うことが重要である。
Bibliography:911865
ZZ00014825
ISSN:0021-4914