水槽内において急激な水温の上昇と低下を経験したツバイの生残率
バイ類の資源保護の方法として、一旦漁獲された小型ツバイを再放流することが有効であるか判断するために、バイかごの揚網と再放流後の沈降の過程を再現した水温変化をツバイに室内で経験させ、その後の生残率を調査した。大型および小型群(平均殻高±SD:50.5±5.5mmおよび31.0±2.5mm)のツバイに、夏季、春・秋季および冬季を想定した3パターンの水温変化(各試験区の最高温度28、20および10℃)を経験させた。両群とも20℃区、10℃区およびコントロール区では死亡個体が認められなかったのに対し、28℃区では実験終了時(14日後)の生残率が大型群で40%、小型群では0%であった。したがって、表層水...
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Published in | 富山県水産試験場研究報告 = Bulletin of Toyama Prefectural Fisheries Experiment Station no. 16; pp. 31 - 39 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
01.03.2005
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ISSN | 0915-6542 |
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Summary: | バイ類の資源保護の方法として、一旦漁獲された小型ツバイを再放流することが有効であるか判断するために、バイかごの揚網と再放流後の沈降の過程を再現した水温変化をツバイに室内で経験させ、その後の生残率を調査した。大型および小型群(平均殻高±SD:50.5±5.5mmおよび31.0±2.5mm)のツバイに、夏季、春・秋季および冬季を想定した3パターンの水温変化(各試験区の最高温度28、20および10℃)を経験させた。両群とも20℃区、10℃区およびコントロール区では死亡個体が認められなかったのに対し、28℃区では実験終了時(14日後)の生残率が大型群で40%、小型群では0%であった。したがって、表層水温が28℃に達する夏場には、一旦漁獲された小型ツバイを再放流しても、死亡する可能性の高いことが示唆された。以上のことから、小型ツバイの再放流は年間を通した資源管理方策として十分ではないと考えられた。 |
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Bibliography: | 711459 ZZ00013149 |
ISSN: | 0915-6542 |