インスリン誘導性内臓脂肪蓄積肥満モデル動物の作成

インスリンは脂肪蓄積作用を有することが知られている。インスリンをラットに投与した研究は数多く行われてきたが, インスリン投与による内臓脂肪型肥満誘発の報告はない。本研究の目的は, 長期インスリン投与による新たな内臓脂肪型肥満モデル動物を作成することである。雌性ラット (6週齢) に8 (8 I群), 16 (16 I群), 32 (32 I群) IU/kg BW/日のインスリンを12週間皮下投与した。対照群には生理食塩水を投与した (0 I群) 。実験終了時の32 I群の生存率 (29%) は0 I群, 8 I群および16 I群に比べ有意に低下した。体重および摂食量はインスリン投与量に依存して...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 64; no. 2; pp. 91 - 98
Main Authors 小林, ゆき子, 伊藤, 俊輔, 桑波田, 雅士, 横山, 芽衣子, 木戸, 康博, 神福, 壽子, 多田, 恵理子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2011
日本栄養・食糧学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.64.91

Cover

More Information
Summary:インスリンは脂肪蓄積作用を有することが知られている。インスリンをラットに投与した研究は数多く行われてきたが, インスリン投与による内臓脂肪型肥満誘発の報告はない。本研究の目的は, 長期インスリン投与による新たな内臓脂肪型肥満モデル動物を作成することである。雌性ラット (6週齢) に8 (8 I群), 16 (16 I群), 32 (32 I群) IU/kg BW/日のインスリンを12週間皮下投与した。対照群には生理食塩水を投与した (0 I群) 。実験終了時の32 I群の生存率 (29%) は0 I群, 8 I群および16 I群に比べ有意に低下した。体重および摂食量はインスリン投与量に依存して増加した。8 I群の体タンパク質比率は0 I群および16 I群に比べ有意に増加した。16 I群の総内臓脂肪重量と体脂肪比率は0 I群および8 I群に比べ有意に増加した。以上の結果から, 16 IU/kg BW/日のインスリンを12週間皮下投与することで内臓脂肪型肥満モデル動物が作成できると結論づけた。
Bibliography:810924
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.64.91