インクレチンの生理作用と機能性食品成分による調節・模倣
食事による血糖上昇に対応して適切にインスリンが分泌されて適切に作用することで血糖の恒常性が維持される。特にインスリン分泌能が低い東アジア人では, インスリン分泌を担う膵β細胞の機能維持が2型糖尿病を予防するために重要な課題となっている。腸管インクレチンホルモンであるgastric inhibitory polypeptide/glucose-dependent insulinotropic polypeptide (GIP) とglucagon-like peptide (GLP-1) は, 膵β細胞に直接あるいは間接的に作用して, 膵β細胞の細胞増殖促進作用, 細胞死抑制作用, 血糖上昇に対...
Saved in:
Published in | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 76; no. 3; pp. 141 - 147 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
2023
日本栄養・食糧学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-3516 1883-2849 |
DOI | 10.4327/jsnfs.76.141 |
Cover
Loading…
Summary: | 食事による血糖上昇に対応して適切にインスリンが分泌されて適切に作用することで血糖の恒常性が維持される。特にインスリン分泌能が低い東アジア人では, インスリン分泌を担う膵β細胞の機能維持が2型糖尿病を予防するために重要な課題となっている。腸管インクレチンホルモンであるgastric inhibitory polypeptide/glucose-dependent insulinotropic polypeptide (GIP) とglucagon-like peptide (GLP-1) は, 膵β細胞に直接あるいは間接的に作用して, 膵β細胞の細胞増殖促進作用, 細胞死抑制作用, 血糖上昇に対応したインスリン分泌増幅作用を発揮する。インクレチンの血糖恒常性維持機構を利用した応用展開は, 2型糖尿病薬にとどまらず, 健康食品や食事自体による予防にも役立つと考えられる。本稿では, インスリン, インクレチンホルモンと2型糖尿病について概説し, インクレチンの分泌を促進あるいは作用を模倣する機能性食品成分について紹介する。 |
---|---|
Bibliography: | 947286 ZZ00014795 |
ISSN: | 0287-3516 1883-2849 |
DOI: | 10.4327/jsnfs.76.141 |