定量NMRに基づく既存添加物中のクエルセチンおよびクエルセチン配糖体の絶対定量
われわれは,国際単位系(SI)にトレーサブルな有機化合物の絶対定量法として,定量NMR (quantitative NMR: qNMR) の開発を行っている.本研究ではqNMRを応用し,既存添加物ルチン(抽出物),ルチン酵素分解物およびクエルセチンの各添加物製品中のルチン,イソクエルシトリンおよびクエルセチンや,これら化合物の市販試薬の絶対定量を行った.今回新たに,計量学的に正確に値付けされた 1,4-ビストリメチルシリルベンゼン-d4 (1,4-BTMSB-d4)をqNMR基準物質として用い,そのメチル基と測定化合物の各2' 位プロトンとのシグナル積分値比から含量を算出し,より簡便...
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Published in | Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 51; no. 5; pp. 205 - 212 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本食品衛生学会
2010
日本食品衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0015-6426 1882-1006 |
DOI | 10.3358/shokueishi.51.205 |
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Summary: | われわれは,国際単位系(SI)にトレーサブルな有機化合物の絶対定量法として,定量NMR (quantitative NMR: qNMR) の開発を行っている.本研究ではqNMRを応用し,既存添加物ルチン(抽出物),ルチン酵素分解物およびクエルセチンの各添加物製品中のルチン,イソクエルシトリンおよびクエルセチンや,これら化合物の市販試薬の絶対定量を行った.今回新たに,計量学的に正確に値付けされた 1,4-ビストリメチルシリルベンゼン-d4 (1,4-BTMSB-d4)をqNMR基準物質として用い,そのメチル基と測定化合物の各2' 位プロトンとのシグナル積分値比から含量を算出し,より簡便な1段階のqNMR測定を行った.その結果,qNMRを用いることにより,分離操作を行うことなく,かつ,測定対象化合物と同一の標準品を必要とせずに,ルチン,イソクエルシトリンおよびクエルセチンの定量が可能であることを見いだした. |
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Bibliography: | ZZ00009680 800217 |
ISSN: | 0015-6426 1882-1006 |
DOI: | 10.3358/shokueishi.51.205 |