酵素-重量法による食品中の食物繊維の分析

酵素-重量法によって, 52種の食品の食物繊維含量を分析した。 穀類では12種の食品を分析した。精白米, もち米の食物繊維含量は0.87%と0.66%ときわめて低かった。小麦粉, そば粉, 大麦, ライ麦, オートミールでは, NDF法によって測定されている値よりかなり高くなった。 いも類は3種を分析したが, NDF法による値よりも高く, また, じゃがいも, さつまいもは蒸すことによって食物繊維含量は高くなった。 豆類では8種を分析したが, 15~20%と高い食物繊維含量であった。これらはNDF法で得られている分析値の約2倍である。 野菜類は15種を分析したが, 1~3%の範囲に入るものが多...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 41; no. 3; pp. 239 - 243
Main Authors 池上, 幸江, 土橋, 文江, 文, 福實, 三宅, 正展, 上野, 洋子, 西出, 英一, 中村, カホル, 印南, 敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 1988
日本栄養・食糧学会
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Abstract 酵素-重量法によって, 52種の食品の食物繊維含量を分析した。 穀類では12種の食品を分析した。精白米, もち米の食物繊維含量は0.87%と0.66%ときわめて低かった。小麦粉, そば粉, 大麦, ライ麦, オートミールでは, NDF法によって測定されている値よりかなり高くなった。 いも類は3種を分析したが, NDF法による値よりも高く, また, じゃがいも, さつまいもは蒸すことによって食物繊維含量は高くなった。 豆類では8種を分析したが, 15~20%と高い食物繊維含量であった。これらはNDF法で得られている分析値の約2倍である。 野菜類は15種を分析したが, 1~3%の範囲に入るものが多かった。ごぼうは10.89%と食物繊維含量が高かった。 きのこ類は8種を分析したが, 生のものでは1~3%の範囲に入るものが多かった。NDF法で得られている値より低くなったが, その理由は明らかではない。 海藻類は16種を分析したが, いずれも食物繊維含量が高かった。こんぶ, わかめ, ひじきの硫酸分画法による分析値が報告されているが, それらの値の1.5~3.2倍の値であった。
AbstractList 酵素-重量法によって, 52種の食品の食物繊維含量を分析した. 穀類では12種の食品を分析した. 精白米, もち米の食物繊維含量は0.87%と0.66%ときわめて低かった. 小麦粉, そば粉, 大麦, ライ麦, オートミールでは, NDF法によって測定されている値よりかなり高くなった. いも類は3種を分析したが, NDF法による値よりも高く, また, じゃがいも, さつまいもは蒸すことによって食物繊維含量は高くなった. 豆類では8種を分析したが, 15-20%と高い食物繊維含量であった. これらはNDF法で得られている分析値の約2倍である. 野菜類は15種を分析したが, 1-3%の範囲に入るものが多かった. ごぼうは10.89%と食物繊維含量が高かった. きのこ類は8種を分析したが, 生のものでは1-3%の範囲に入るものが多かった. NDF法で得られている値より低くなったが, その理由は明らかではない. 海藻類は16種を分析したが, いずれも食物繊維含量が高かった. こんぶ, わかめ, ひじきの硫酸分画法による分析値が報告されているが, それらの値の1.5-3.2倍の値であった. こんぶ類の入手にあたってご高配を賜りました北海道漁連(函館)に深謝いたします.
酵素-重量法によって, 52種の食品の食物繊維含量を分析した。 穀類では12種の食品を分析した。精白米, もち米の食物繊維含量は0.87%と0.66%ときわめて低かった。小麦粉, そば粉, 大麦, ライ麦, オートミールでは, NDF法によって測定されている値よりかなり高くなった。 いも類は3種を分析したが, NDF法による値よりも高く, また, じゃがいも, さつまいもは蒸すことによって食物繊維含量は高くなった。 豆類では8種を分析したが, 15~20%と高い食物繊維含量であった。これらはNDF法で得られている分析値の約2倍である。 野菜類は15種を分析したが, 1~3%の範囲に入るものが多かった。ごぼうは10.89%と食物繊維含量が高かった。 きのこ類は8種を分析したが, 生のものでは1~3%の範囲に入るものが多かった。NDF法で得られている値より低くなったが, その理由は明らかではない。 海藻類は16種を分析したが, いずれも食物繊維含量が高かった。こんぶ, わかめ, ひじきの硫酸分画法による分析値が報告されているが, それらの値の1.5~3.2倍の値であった。
Author 上野, 洋子
文, 福實
西出, 英一
三宅, 正展
印南, 敏
土橋, 文江
中村, カホル
池上, 幸江
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Publisher 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
日本栄養・食糧学会
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