栄養状態の評価基準に関する実践栄養学的研究

栄養指導, 栄養調査等で用いられている栄養状態を評価する方法として, 口に入った食物が体内でどのように代謝され利用されているかを調べる生化学的方法と, 食物が口に入る前の段階における狭義の栄養調査による方法に大別される. 本稿では, 後者における栄養指導, 栄養調査に用いられる評価方法について栄養所要量と関連させて実践上の栄養評価基準を中心に述べる. 1. 栄養素等摂取状況の評価基準としての平均栄養所要量等について 栄養基準量1)は数値が簡単なためいろいろのところで安易に利用されるきらいがあったが, このものの本質をよく理解しなければ誤用するおそれが多分にある2). なぜならば栄養基準量とは日...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 41; no. 1; pp. 1 - 6
Main Author 大谷, 八峯
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 1988
日本栄養・食糧学会
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.41.1

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Summary:栄養指導, 栄養調査等で用いられている栄養状態を評価する方法として, 口に入った食物が体内でどのように代謝され利用されているかを調べる生化学的方法と, 食物が口に入る前の段階における狭義の栄養調査による方法に大別される. 本稿では, 後者における栄養指導, 栄養調査に用いられる評価方法について栄養所要量と関連させて実践上の栄養評価基準を中心に述べる. 1. 栄養素等摂取状況の評価基準としての平均栄養所要量等について 栄養基準量1)は数値が簡単なためいろいろのところで安易に利用されるきらいがあったが, このものの本質をよく理解しなければ誤用するおそれが多分にある2). なぜならば栄養基準量とは日本人全体に対する栄養所要量の総平均だからである. すなわち, これを算出した時点における日本人の総人口を年齢, 性, 労作強度, 妊婦授乳婦別に分けて, その時点における栄養所要量の総量を算出合計して総人口で除した平均値である. したがって人口構成が変わればそれにしたがって当然変わる. これを計算した時点の対象に対してのみ利用されるべきものである.
Bibliography:390843
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.41.1