イオン交換樹脂によるミカン果汁の減酸処理
1. 塩基性イオン交換樹脂によって, ミカン果汁を簡単に減酸することができた. そのとき, 酸含量1%前後の果汁を0.7~0.8%にするためには, バッチ法では果汁に対し2~3% (W/V) の市販樹脂を10分間程度処理すればよいことがわかった. 2. 除かれる酸のほとんどはクエン酸で, 処理果汁の酸組成は原果汁に比べ, クエン酸が少なく, リンゴ酸グルタミン酸がやや多くなった. 3. アスコルビン酸も樹脂に吸着されるが, 初め, 吸着されたものの一部が後に置換されて果汁に戻る現象がバッチ法でもカラム法でもみられた. 4. アスコルビン酸の損失は, 樹脂の種類, 処理方法•時間, 流速により異...
Saved in:
Published in | Engei Gakkai zasshi Vol. 52; no. 2; pp. 189 - 195 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 園芸学会
1983
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0013-7626 1880-358X |
DOI | 10.2503/jjshs.52.189 |
Cover
Summary: | 1. 塩基性イオン交換樹脂によって, ミカン果汁を簡単に減酸することができた. そのとき, 酸含量1%前後の果汁を0.7~0.8%にするためには, バッチ法では果汁に対し2~3% (W/V) の市販樹脂を10分間程度処理すればよいことがわかった. 2. 除かれる酸のほとんどはクエン酸で, 処理果汁の酸組成は原果汁に比べ, クエン酸が少なく, リンゴ酸グルタミン酸がやや多くなった. 3. アスコルビン酸も樹脂に吸着されるが, 初め, 吸着されたものの一部が後に置換されて果汁に戻る現象がバッチ法でもカラム法でもみられた. 4. アスコルビン酸の損失は, 樹脂の種類, 処理方法•時間, 流速により異なるが, カラム法で流速を大きくすることにより, 損失を非常に少なくすることができた. 5. 減酸処理した樹脂は簡単に再生し. 再使用することができた. 6. 本研究の結果から考えると, イオン交換樹脂を用い, 企業的な規模で減酸処理をすることが可能で, その方法はバッチ法よりカラム法が適しているように思われた. |
---|---|
Bibliography: | 280091 ZZ00015006 |
ISSN: | 0013-7626 1880-358X |
DOI: | 10.2503/jjshs.52.189 |