4-Allyl-2-azetidinone と Penicillium simplicissimum による土壌伝染性フザリウム病の発病抑制

4-Allyl-2-azetidinone (B-143) は抗菌活性を示さない物質であるが, 滅菌していない培土 (クレハ園芸培土) に灌注 (100μg/ml, 0.5mg/g土) すると Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinum によるキュウリ (Cucumis sativus) つる割病の発病を抑制した (ポット試験). しかし, 培土をオートクレープ (121℃, 40分) 滅菌処理したものではB-143灌注による発病抑制効果が失われた. そこで培土中に存在する微生物が本抑制効果発現に関与していると考えられたため, 分離を試みたところ, Penici...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 22; no. 2; pp. 113 - 118
Main Authors 柴崎, 正勝, 小林, 裕美子, 有江, 力, 山口, 勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 1997
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ISSN1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.22.113

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Summary:4-Allyl-2-azetidinone (B-143) は抗菌活性を示さない物質であるが, 滅菌していない培土 (クレハ園芸培土) に灌注 (100μg/ml, 0.5mg/g土) すると Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinum によるキュウリ (Cucumis sativus) つる割病の発病を抑制した (ポット試験). しかし, 培土をオートクレープ (121℃, 40分) 滅菌処理したものではB-143灌注による発病抑制効果が失われた. そこで培土中に存在する微生物が本抑制効果発現に関与していると考えられたため, 分離を試みたところ, Penicillium simplicissimum No. 8 が分離された. 同菌を, 滅菌処理した培土に戻し接種した後にB-143を灌注したところ, 発病抑制効果が再現された. P. simplicissimum No. 8 およびB-143による発病抑制効果はトマト (Lycopersicon esculentum) 萎ちょう病, キャベツ (Brassica oleracea) 萎黄病, ストック (Matthiola incana) 萎ちょう病に対しても認められた. すなわち, B-143とP. simplicissimum No. 8は協力的に土壌伝染性フザリウム病に対して発病抑制効果を示すと考えられた.
Bibliography:552071
ZZ00015061
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.22.113