N-(1-Methyl-1-phenylethyl)-2-bromo-3,3-dimethylbutanamide (bromobutide) のマウスおよびラットにおける代謝の比較

N-(1-Methyl-1-phenylethyl)-2-bromo-3,3-dimethylbutanamide (bromobutide) のマウスにおける代謝を検討し, ラットの結果と比較した. カルボニル基炭素標識 bromobutide を5mg/kgの割合でマウスに1回経口投与すると14Cは速やかに尿および糞中に排泄された. 排泄速度はラットに比べ速く, 尿への排泄が多い (70%) 点でラットと異なっていた. 投与後7日目の組織残留14C量は1g組織当りいずれの組織においても0.1μg bromobutide 相当量以下でラットより少なかった. おもな初期代謝はマウスでは芳香環水...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 8; no. 4; pp. 551 - 559
Main Authors 磯部, 直彦, 宮本, 純之, 松尾, 昌季
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 1983
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ISSN1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.8.551

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Summary:N-(1-Methyl-1-phenylethyl)-2-bromo-3,3-dimethylbutanamide (bromobutide) のマウスにおける代謝を検討し, ラットの結果と比較した. カルボニル基炭素標識 bromobutide を5mg/kgの割合でマウスに1回経口投与すると14Cは速やかに尿および糞中に排泄された. 排泄速度はラットに比べ速く, 尿への排泄が多い (70%) 点でラットと異なっていた. 投与後7日目の組織残留14C量は1g組織当りいずれの組織においても0.1μg bromobutide 相当量以下でラットより少なかった. おもな初期代謝はマウスでは芳香環水酸化, ラットではω-水酸化と芳香環水酸化であった. Bromobutide の水酸化物のグルクロン酸抱合体はラットおよびマウスの主要代謝物で, ラットでは胆汁, マウスでは尿中に多く排泄された. この種差は, 胆汁排泄の分子選択性の差によると考えられた. ラットは胆汁排泄代謝物を腸肝循環し, この間にさらに酸化や脱ブロム化を行なった. Bromobutide のラットにおける主要な初期代謝は酸化であったが, 約12.4%はまず脱ブロム化を受けると推定できた.
Bibliography:282130
ZZ00015061
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.8.551