腎盂拡張の認められた猫に対する尿管ステント留置術の臨床的検討

腎盂拡張に加えて,腎盂拡張側の尿管に結石が認められた16例の猫と,結石を認めなかったが高クレアチニン血症が認められた10例の猫に,開腹下,尿管ステント留置術を実施した.全26例の尿管にステント挿入に障害となる狭窄部位が存在したが,ステントを挿入することができた.ステント挿入後,全例で腎盂拡張が改善した.術後に6例が死亡したが,他の20例では窒素血症は改善されたか,あるいは改善されなくても腎不全の急性増悪を認めていない.尿管ステント留置術は,腎盂拡張に加えて,腎盂拡張側尿管に結石を認めるか,高クレアチニン血症を示す症例に対する一手技として考慮できる....

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 67; no. 5; pp. 333 - 339
Main Authors 桑原, 康人, 石野, 明美, 桑原, 典枝, 河崎, 哲也, 西飯, 直仁, 北川, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.05.2014
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Summary:腎盂拡張に加えて,腎盂拡張側の尿管に結石が認められた16例の猫と,結石を認めなかったが高クレアチニン血症が認められた10例の猫に,開腹下,尿管ステント留置術を実施した.全26例の尿管にステント挿入に障害となる狭窄部位が存在したが,ステントを挿入することができた.ステント挿入後,全例で腎盂拡張が改善した.術後に6例が死亡したが,他の20例では窒素血症は改善されたか,あるいは改善されなくても腎不全の急性増悪を認めていない.尿管ステント留置術は,腎盂拡張に加えて,腎盂拡張側尿管に結石を認めるか,高クレアチニン血症を示す症例に対する一手技として考慮できる.
Bibliography:872455
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.67.333