塩類ストレス下におけるダイズ植物体中のリンとナトリウムの分布

世界の塩類集積土壌においてダイズを栽培するときは植物と栄養素の相互関係を理解する必要がある.温室でホーグランド液を使用して栽培した植物(25 cmの高さ)に対して塩化ナトリウム濃度を0から120 mMまで増加させ, リンとナトリウムの取り込みを調査した.リンの吸収は栄養培地中の無機リン濃度に依存した.8 mMのリンの添加はすべての植物部位でリンの取り込みを有意に促進した.多項式回帰モデルでは葉中の塩類濃度の増加とナトリウム活性とに相関があった.一方, 茎に対しては二次の関係式が優れていた.塩濃度の増加に対する32Pの取り込みは根に対しては正の傾きの直線であり, 茎に対しては負の傾きになった.シ...

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Published inEngei Gakkai zasshi Vol. 68; no. 4; pp. 746 - 752
Main Authors /, /, 橋永 文男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 園芸学会 1999
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Summary:世界の塩類集積土壌においてダイズを栽培するときは植物と栄養素の相互関係を理解する必要がある.温室でホーグランド液を使用して栽培した植物(25 cmの高さ)に対して塩化ナトリウム濃度を0から120 mMまで増加させ, リンとナトリウムの取り込みを調査した.リンの吸収は栄養培地中の無機リン濃度に依存した.8 mMのリンの添加はすべての植物部位でリンの取り込みを有意に促進した.多項式回帰モデルでは葉中の塩類濃度の増加とナトリウム活性とに相関があった.一方, 茎に対しては二次の関係式が優れていた.塩濃度の増加に対する32Pの取り込みは根に対しては正の傾きの直線であり, 茎に対しては負の傾きになった.シュートと根の乾物重は塩類の増加につれて減少した.葉のクロロフィル含量は塩濃度が低いときには増加したが, 高濃度では減少した.従って, ダイズの塩類ストレス改善のためには無機リンの施用が勧められる.
Bibliography:ZZ00015006
591816
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.68.746