スナネズミ胎仔の性分化特に中腎傍管, 中腎管, 外生殖器の発達

スナネズミの中腎管は胎齢13日に, 雌雄ともによく発達している. 中腎傍管(ミュラー管)は雌雄ともに胎齢14日にその原基が認められ, 中腎上部の生殖腺あたりで, 中腎管(ウォルフ管)のそばに観察される. その後, 中腎傍管は中腎管に沿って尾側に発達し, 胎齢19日になると尿生殖洞に達する. この時期, 外生殖器に性分化が観察され, 雄の肝門生殖結節間距離は雌のそれよりも有意に長くなる. また, 雄の中腎管の直径は雌のそれよりも有意に増加する. このことからスナネズミ胎仔の精巣は胎齢19日以前にアンドロジェンを分泌することが示唆される. 一方, 胎齢19日において, 雄の中腎傍管は退縮を始め,...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 55; no. 6; pp. 959 - 962
Main Authors 猪股, 智夫, 望月, 公子, 有嶋, 和義, 江口, 保暢, 鈴木, 久美子, 齋藤, 寛史, 二宮, 博義, 山本, 雅子, 伊藤, 嘉寿, 滝沢, 達也
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1993
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ISSN0916-7250
1347-7439
DOI10.1292/jvms.55.959

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Summary:スナネズミの中腎管は胎齢13日に, 雌雄ともによく発達している. 中腎傍管(ミュラー管)は雌雄ともに胎齢14日にその原基が認められ, 中腎上部の生殖腺あたりで, 中腎管(ウォルフ管)のそばに観察される. その後, 中腎傍管は中腎管に沿って尾側に発達し, 胎齢19日になると尿生殖洞に達する. この時期, 外生殖器に性分化が観察され, 雄の肝門生殖結節間距離は雌のそれよりも有意に長くなる. また, 雄の中腎管の直径は雌のそれよりも有意に増加する. このことからスナネズミ胎仔の精巣は胎齢19日以前にアンドロジェンを分泌することが示唆される. 一方, 胎齢19日において, 雄の中腎傍管は退縮を始め, 雌のそれは発達を続ける. このことからミューラー管抑制ホルモンは胎齢19日以前に分泌されるものと考えられる.
Bibliography:492625
ZZ00004754
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.55.959