豚リンパ肉腫の血液でみられた染色体異常

豚リンパ肉腫 (多中心型16例, 消化器型8例, 胸腺型1例) について, 血液検査 (白血球数, 白血球百分比) および全血 (生体血, と体残血) の培養法と直接法による染色体検査を実施したところ, 末梢血に腫瘍細胞が認められた. 血液検査では異型リンパ球が8例で認められ, 染色体検査では染色体異常細胞が11例で認められた. 染色体異常細胞が認められた多中心型9例の染色体による分類は, 非クローン性異常2例およびクローン性異常7例で, 消化器型2例は, 非クローン性異常およびクローン性異常が各1例であった. クローン性異常では, 組織の破綻によって多数の腫瘍細胞が血液中に流入する場合だけで...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 56; no. 10; pp. 673 - 678
Main Authors 谷津, 壽郎, 畠山, 敬, 川向, 和雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.10.2003
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Summary:豚リンパ肉腫 (多中心型16例, 消化器型8例, 胸腺型1例) について, 血液検査 (白血球数, 白血球百分比) および全血 (生体血, と体残血) の培養法と直接法による染色体検査を実施したところ, 末梢血に腫瘍細胞が認められた. 血液検査では異型リンパ球が8例で認められ, 染色体検査では染色体異常細胞が11例で認められた. 染色体異常細胞が認められた多中心型9例の染色体による分類は, 非クローン性異常2例およびクローン性異常7例で, 消化器型2例は, 非クローン性異常およびクローン性異常が各1例であった. クローン性異常では, 組織の破綻によって多数の腫瘍細胞が血液中に流入する場合だけでなく, 生理的に近い状態で数少ない腫瘍細胞が血液中に遊走している場合でも的確な判定が可能であった.
Bibliography:681950
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.56.673