丹波黒大豆エダマメにおける食味評価法の開発

丹波黒大豆の新品種育成時における選抜指標データを収集するために,‘紫ずきん2号’,‘紫ずきん’および‘新丹波黒’のエダマメとしての品質を化学・物理的特性分析により評価した.さらに,これらの特性データを25名のパネラーによる食味官能試験のデータと比較・検討した.その結果,食味は化学成分含量の増加とともに向上することが明らかになり,甘味についてはスクロースとマルトース含量を,また,旨味についてはグルタミン酸とアスパラギン酸含量がそれぞれ指標として利用できることがわかった.さらに,物性データを食感指標として利用できることもわかり,軟らかさは破断荷重値で,また,粘性はM値でそれぞれ評価できることが明ら...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 11; no. 3; pp. 309 - 314
Main Authors 古谷, 規行, 野村, 知未, 大谷, 貴美子, 松井, 元子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2012
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Summary:丹波黒大豆の新品種育成時における選抜指標データを収集するために,‘紫ずきん2号’,‘紫ずきん’および‘新丹波黒’のエダマメとしての品質を化学・物理的特性分析により評価した.さらに,これらの特性データを25名のパネラーによる食味官能試験のデータと比較・検討した.その結果,食味は化学成分含量の増加とともに向上することが明らかになり,甘味についてはスクロースとマルトース含量を,また,旨味についてはグルタミン酸とアスパラギン酸含量がそれぞれ指標として利用できることがわかった.さらに,物性データを食感指標として利用できることもわかり,軟らかさは破断荷重値で,また,粘性はM値でそれぞれ評価できることが明らかになった.化学・物理的データから,甘味と旨味が強く食感が柔らかいと評価された‘新丹波黒’の官能試験評点は,3品種の中で最も高かった.本研究で確立した丹波黒大豆のエダマメ食味・食感指標を育種の選抜マーカーとして利用することにより,良食味を有する新品種が効率的に育成できると考えられる.
Bibliography:ZZ20004168
832978
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.11.309