徳島県高志地区におけるイネ発酵粗飼料利用農家の分類と意識調査

イネ発酵粗飼料(イネWCS)の生産と飼料用水田への堆肥の還元は、水田の維持と家畜由来の環境問題の解決の有効な手段として期待されている。本研究では、徳島県高志地区において飼料イネを生産し、飼料として利用している15戸の酪農家に対して実施した聞き取り調査の結果をもとに農家の特徴づけを行った。農家の分類は、「ふん還元率」、「飼料用水田比率」、「ふんの飼料用水田への還元率」および「飼料用水田の借地率」の4変数を用いたクラスター分析によって行った。分析の結果、農家は2つのグループに分類することができ、第1グループは、乳生産による所得向上を目的としている農家で構成され、第2グループは、農家内の資源循環の向...

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Published inJournal of the Japanese Agricultural Systems Society Vol. 23; no. 4; pp. 317 - 325
Main Authors 熊谷, 元, 長命, 洋佑, 福井, 弘之, 先川, 香緒里, 竹内, 佳代, 広岡, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published システム農学会 01.10.2007
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ISSN0913-7548
2189-0560
DOI10.14962/jass.23.4_317

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Summary:イネ発酵粗飼料(イネWCS)の生産と飼料用水田への堆肥の還元は、水田の維持と家畜由来の環境問題の解決の有効な手段として期待されている。本研究では、徳島県高志地区において飼料イネを生産し、飼料として利用している15戸の酪農家に対して実施した聞き取り調査の結果をもとに農家の特徴づけを行った。農家の分類は、「ふん還元率」、「飼料用水田比率」、「ふんの飼料用水田への還元率」および「飼料用水田の借地率」の4変数を用いたクラスター分析によって行った。分析の結果、農家は2つのグループに分類することができ、第1グループは、乳生産による所得向上を目的としている農家で構成され、第2グループは、農家内の資源循環の向上に重点を置いている小規模農家で構成されていた。第1のグループに属する農家は、第2グループの農家と比べて、飼料イネを乾草より安価な飼料として評価し、また助成金の受給およびコントラクターによる労働作業の軽減に対して高く評価していることが示唆された。
Bibliography:ZZ00011894
751635
ISSN:0913-7548
2189-0560
DOI:10.14962/jass.23.4_317