小型船の横揺れ予測に改良ヤコビ行列推定法を用いる際に妥当な近傍ベクトルの数に関する検討

他の船舶に比べ,漁船に代表される小型船は比較的小さな波高でも大きな動揺が生じる。特に小型漁船の場合,停船時における甲板上での作業中に大角度動揺が生じたならば,たとえ転覆に至らなくとも,海中転落等の危険性が生じうる。このため,波浪中の船体横揺れの時系列データがどの程度予測可能であるかを把握することは耐航性の研究上重要である。UenoらはFarmer and Sidorowitchの予測法が確率論的データである共振系狭帯域応答の波浪中の船体横揺れの時系列データに対しても有効であり,従来法である線形自己回帰モデルを用いた予測よりも優れていることを示した。共振系狭帯域応答の時系列データのような確率論的...

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Published in日本水産工学会誌 Vol. 59; no. 2; pp. 103 - 107
Main Authors 村上, 敬, 上野, 公彦, 林, 敏史
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本水産工学会 15.10.2022
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ISSN0916-7617
2189-7131
DOI10.18903/fisheng.59.2_103

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Summary:他の船舶に比べ,漁船に代表される小型船は比較的小さな波高でも大きな動揺が生じる。特に小型漁船の場合,停船時における甲板上での作業中に大角度動揺が生じたならば,たとえ転覆に至らなくとも,海中転落等の危険性が生じうる。このため,波浪中の船体横揺れの時系列データがどの程度予測可能であるかを把握することは耐航性の研究上重要である。UenoらはFarmer and Sidorowitchの予測法が確率論的データである共振系狭帯域応答の波浪中の船体横揺れの時系列データに対しても有効であり,従来法である線形自己回帰モデルを用いた予測よりも優れていることを示した。共振系狭帯域応答の時系列データのような確率論的なものは,時間の経過とともに近傍ベクトルの数が変化し計算が不安定になる場合があった。それゆえに,Ueno and Fanは近傍ベクトルの数を一定に保つ方法を用いた。本研究では近傍ベクトルの数と予測精度に関する考察を行い,最適な近傍ベクトルの数が存在することが確認できた。
Bibliography:ZZ00011795
945770
ISSN:0916-7617
2189-7131
DOI:10.18903/fisheng.59.2_103