リョクトウ (Vigna radiata Wilczek L.) の耐塩性に及ぼす窒素肥料の影響

土壌の塩類化により, リョクトウの生長, 水分状態, 養分吸収は大きな影響を受ける.本研究は, リョクトウの耐塩性に及ぼす窒素肥料の影響を明らかにすることを目的として行った.2001年夏, 自然光下のビニルハウス内で, 品種“BARI mug3”の土耕鉢植え個体に, 3種の窒素肥料処理 (13.3, 40, 60kgha-1) と2種の塩処理 (0, 75mM NaCl) を行った.塩処理により, 植物体の水分状態は顕著に悪化し, 相対水分含量 (RWC) , 木部液溢泌速度, 水ポテンシャルとも大きく低下した.しかし, 塩処理による水分状態の悪化は, 高濃度の窒素肥料により軽減した.収量及び...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNettai nōgyō Vol. 49; no. 2; pp. 119 - 125
Main Authors 縄田, 栄治, ハミッド, アブドゥール, カビール, エマル, ハックェ, モイヌール, コリム, アブドゥール
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本熱帯農業学会 01.06.2005
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-5260
2185-0259
DOI10.11248/jsta1957.49.119

Cover

More Information
Summary:土壌の塩類化により, リョクトウの生長, 水分状態, 養分吸収は大きな影響を受ける.本研究は, リョクトウの耐塩性に及ぼす窒素肥料の影響を明らかにすることを目的として行った.2001年夏, 自然光下のビニルハウス内で, 品種“BARI mug3”の土耕鉢植え個体に, 3種の窒素肥料処理 (13.3, 40, 60kgha-1) と2種の塩処理 (0, 75mM NaCl) を行った.塩処理により, 植物体の水分状態は顕著に悪化し, 相対水分含量 (RWC) , 木部液溢泌速度, 水ポテンシャルとも大きく低下した.しかし, 塩処理による水分状態の悪化は, 高濃度の窒素肥料により軽減した.収量及び収量構成要素も, 莢当たり種子数を除き, 塩処理により低下したが, 高濃度窒素肥料によりこれらの低下が軽減した.N, P, K, Ca含量は, 塩処理により低下し, Na含量は大きく上昇した.高濃度窒素肥料処理により, 前4者の含量は増加する傾向に, Na含量は減少する傾向にあった.これらの窒素肥料の影響は, 濃度の上昇とともに大きくなる傾向があった.以上の結果から, 高濃度窒素肥料の施与は, 塩分ストレス下において, 植物体の水分状態や養分吸収を改善させ, 収量を向上させることが明らかとなった.
Bibliography:720026
ZZ00014546
ISSN:0021-5260
2185-0259
DOI:10.11248/jsta1957.49.119