アラール海危機: 大規模水利開発のもたらしたもの

本報文は, アラール海流域における水, 農業, 環境についての諸問題を記述したものである。世界第4位の面積を有する内水湖アラール海は, これに流入する2大河川, シルダリア川, アムダリア川からの潅漑用水の大量取水によりその水面積が1950年代の50%にまで縮小した。現在, アラール海流域の潅漑面積は約800万haに達しており, 年間用水量は約100km3に達すると推定されている。 潅漑地はその20%が塩害に侵され, 水田地帯を中心として水不足に悩んでいる。アラール海の縮小と, 乾燥地における無差別潅漑による塩分集積, 水不足の解決のためには, 抜本的な水管理改善が必須である。...

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Bibliographic Details
Published inNōgyō Doboku Gakkai-Shi Vol. 64; no. 10; pp. 983 - 990,a1
Main Author 筒井, 暉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 農業農村工学会 01.10.1996
Subjects
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ISSN0369-5123
1884-7188
DOI10.11408/jjsidre1965.64.10_983

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Summary:本報文は, アラール海流域における水, 農業, 環境についての諸問題を記述したものである。世界第4位の面積を有する内水湖アラール海は, これに流入する2大河川, シルダリア川, アムダリア川からの潅漑用水の大量取水によりその水面積が1950年代の50%にまで縮小した。現在, アラール海流域の潅漑面積は約800万haに達しており, 年間用水量は約100km3に達すると推定されている。 潅漑地はその20%が塩害に侵され, 水田地帯を中心として水不足に悩んでいる。アラール海の縮小と, 乾燥地における無差別潅漑による塩分集積, 水不足の解決のためには, 抜本的な水管理改善が必須である。
Bibliography:ZZ00014130
542616
ISSN:0369-5123
1884-7188
DOI:10.11408/jjsidre1965.64.10_983