リンの生物学的利用率の指標としてのクエン酸溶液に対する溶解度について

リン酸肥料の肥効を判定する目的で, ク溶性リンが測定されているが, この手法を飼料原料に応用することを試みた。予備試験の結果, 肥料分析で用いられているクエン酸濃度2%は, 飼料には不適当であったので, 0.5%クエン酸溶液を用いることにした。 試薬用のリン酸カルシウム3種類, 飼料用のリン酸カルシウム5種類, 骨つき肉粉4種類および魚粉2種類について, ク溶性リンの割合とヒナを用いる生物定量法により測定したリンの利用率との間に, 危険率1%で直線関係が認められ, (1)式が適用できた。 y=72.58+0.480x……(1) ただし, xは0.5%クエン酸可溶性のリンの割合(%) であり,...

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Published inNihon Kakin Gakkaishi Vol. 16; no. 5; pp. 290 - 292
Main Authors 中島, 宏樹, 堀田, 三郎, 吉田, 実, 石川, 道幸
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本家禽学会 25.09.1979
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ISSN0029-0254
DOI10.2141/jpsa.16.290

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Summary:リン酸肥料の肥効を判定する目的で, ク溶性リンが測定されているが, この手法を飼料原料に応用することを試みた。予備試験の結果, 肥料分析で用いられているクエン酸濃度2%は, 飼料には不適当であったので, 0.5%クエン酸溶液を用いることにした。 試薬用のリン酸カルシウム3種類, 飼料用のリン酸カルシウム5種類, 骨つき肉粉4種類および魚粉2種類について, ク溶性リンの割合とヒナを用いる生物定量法により測定したリンの利用率との間に, 危険率1%で直線関係が認められ, (1)式が適用できた。 y=72.58+0.480x……(1) ただし, xは0.5%クエン酸可溶性のリンの割合(%) であり, yはリンの利用率である。 この知見から, 無機態および動物性の飼料原料のリンの利用率を推定する簡便法として, 0.5%ク溶性リンを測定することが推奨された。
Bibliography:ZZ20005654
202126
ISSN:0029-0254
DOI:10.2141/jpsa.16.290