表面改質ガラス濾過膜がビールのクロスフロー精密濾過に及ぼす影響

濾過膜のファウリング防止を目的として,シランカップリング剤により表面改質処理を施したガラス製精密濾過膜を用いて,ビールのクロスフロー濾過実験を行い,濾過膜の表面改質処理が透過流束に及ぼす影響について検討し,以下の結果を得た. (1) ガラス製精密濾過膜をγ-アミノプロピルトリエトキシシラン処理することで,濾過膜のゼータ電位をビール中では未処理膜より相対的にプラスに,パーフルオロアルキルシラン処理することで相対的にマイナスに制御できた,しかし,パーフルオロアルキルシラン処理では細孔の閉塞が懸念された. (2) 供給液流速が0.5ms-1時には,定常透過流束Jssは膜面電位に依存せず,ほぼ一定値を...

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Published inNippon Shokuhin Kōgyō Gakkaishi Vol. 39; no. 12; pp. 1061 - 1068
Main Authors 天野, 勉, 大矢, 晴彦, 横倉, 修一, 松本, 幹治, 島田, 和彦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本食品科学工学会 01.12.1992
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ISSN0029-0394
DOI10.3136/nskkk1962.39.1061

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Summary:濾過膜のファウリング防止を目的として,シランカップリング剤により表面改質処理を施したガラス製精密濾過膜を用いて,ビールのクロスフロー濾過実験を行い,濾過膜の表面改質処理が透過流束に及ぼす影響について検討し,以下の結果を得た. (1) ガラス製精密濾過膜をγ-アミノプロピルトリエトキシシラン処理することで,濾過膜のゼータ電位をビール中では未処理膜より相対的にプラスに,パーフルオロアルキルシラン処理することで相対的にマイナスに制御できた,しかし,パーフルオロアルキルシラン処理では細孔の閉塞が懸念された. (2) 供給液流速が0.5ms-1時には,定常透過流束Jssは膜面電位に依存せず,ほぼ一定値を示したが, 2.5ms-1時には,膜面電位に依存し,膜面電位が低いほど大きな値を示した. (3) 供給液流速2.5ms-1の下で,パーフルオロアルキルシラン処理膜を用いることで,酵母による膜面へのファウリングが抑制できるため,ケーク層抵抗Rcをビール中では未処理膜の約16%とすることができ,また,その結果として,定常透過流束Jssを未処理膜の2倍に増加させることができた,
Bibliography:ZZ20000202
481212
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.39.1061